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『熱情』 辻和子

 わたしにとって、そしてわたしと同年代から上の人間にとって、田中角栄は最も記憶に残る首相だったと思います。中卒で首相まで成り上がる人間というのは、これまでも、そしてこれからもいないでしょうね。似顔絵を描かれたり、モノマネをされたり、こんなに多くの人から愛された彼は、昭和のスーパースターだったのだと今更ながらに思うのです。

 この本は、そんな角さんの2号(3号?)さんだった辻さんの回顧録です。角さんのプライベートなエピソードがいろいろと出てきて、へぇ!って思うことが多かったですね。義理を欠かない、人情にあつい、でも子供にすら本気で怒ってしまう、そんな角さんって良くも悪くも本音だけで生きていた人なのかなと感じたのです。

 今の常識でいえば2号さんを囲うというのは悪いことですけど、当時の常識からいけばそういうのって「男の甲斐性」で済まされちゃったんですよね。それに、政略結婚なんかで結婚した同士だと、本妻さんの方にも愛がないなぁってことが多かったようだし。

 この本の中にもそんなシーンが出てきます。新潟に遊説に行っていた角さんのことを、娘の真紀子さんが東京駅まで迎えに行った時のことです。家にまっすぐ帰ってきて欲しいのという娘の熱意が通じて、せっかく本宅へ帰って来たのに、本妻さんは食事を用意していなかったんです。「だって、うちにまっすぐ帰ってくるって思ってなかったんだもの」という言葉に、真紀子さんは激怒してこう叫んだのだそうです。「あんたがそんなだから、あっちへ帰っちゃうんだ!」

 そしてお腹が空いた角さんが別宅へ行くと、ちゃんと食事が用意されていたってオチまでついていて、真紀子さんの言うとおりだったわけですよね。こういう少女時代を過ごした真紀子さんって、辛かったろうなぁって思います。

 そんな思いがあるから、角さんの老後には辻さんや子供達がお見舞いに行くことなどは全くできなかったし、お葬式ですら門前払いされたのだそうです。

 真紀子さんの冷たさっていうのは、自分たち本宅の家族を愛してくれなかった父へのファザコンから来てるんでしょうか?だとしたら悲しすぎます。

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コメント

何だか真紀子さんは、「男になりたかった」=「息子になりたかった」人という印象があるんですが。
幼少の頃からそういうの見せられてると、どうしたって自分の中の「女」の部分と巧く折り合いをつけられなくなってしまうのかも知れないですね~。あ~、でも面白そうだ。これ。

真紀子さんにはお兄さんがいたのに、子供の頃に亡くなってしまのだそうです。
その後、妾宅に男の子が産まれてから、角さんの心はそちらへ行ってしまったんでしょうね。
だから、自分が男の子だったらっていう思いがあったんじゃないかな?

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