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『夜の公園』 川上弘美

夜の公園
夜の公園
posted with amazlet on 06.10.04
川上 弘美
中央公論新社

 りりさんは幸夫さんと結婚して専業主婦になりました。好きで一緒になったはずなのに、何年か経った現在、何故か幸夫さんのことを好きじゃないという気持になってきたのです。 幸夫さんのどこが悪いということを見つけることはできないけれど、とにかく好きじゃないなぁという気持になっています。

 「あの人、酒乱だから嫌なのよ!」なんていう風に理由がはっきりしていれば、話は簡単なんです。話を聞いた人も「なるほどね」と思ってくれます。でも、「理屈はないけれど、嫌なものは嫌」というのは、人に説明のしようがないんです。だから、誰かに相談しようもないんです。

 そういうのって、わたしにもあります。相手にとってひどいことを言ったことも多々あります。相手にとっては「なんでそんなことを突然言うんだ!」だったろうけど、わたしにとっては「ずっとそう言おうと思っていたこと」だったから、自分の気持ちを正直に説明するのって難しいなぁと思います。

 りりさんも幸夫さんも、自分の胸の内をほとんど話しませんでしたね。そんなことを言ったら悪いと思っていたのか?言っても分かってもらえないと思っていたのか?言ってもムダだと思っていたのか?

 言ってしまうとケンカになるかもしれないけど、それはそれで良いと思うんです。自分がそう思っているということを相手に伝えることはできるんですもの。ケンカすることによって新しい方向性が生まれるかもしれないし。少なくとも胸の中のモヤモヤは減るはずです。

 言葉にできないモヤモヤを少しずつ溜め込んで、それがいつの間にやら大きなモヤモヤになることが一番怖いなぁと思います。ある大きさを越えると、自分ではどうにもできない状態になってしまうんですよね。

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日本の作家 か行」カテゴリの記事

コメント

こんばんは!
言葉で説明出来ないような、あるいは言葉にしても他人からは理解されないようなモヤモヤをリリは抱えていたんですね。
どうも、行動の方ばかりに目が向いて理解できてなかったような気がします。
Rokoさんのレビューで、ああそういうことか!とちょっと納得できました♪

エビノートさん☆トラバ&コメントありがとうございます。
自分の思いをうまく伝えられないってもどかしさを、みんな胸に秘めて生きているんですよね。
悩みながら生きていくのが人間なんだよなぁって思います。

Rokoさん、こんばんは。

そうなんですよね。
モヤモヤを少しずつ溜め込んでいくと
最後に取り返しのつかないことになっちゃうんです。ケンカするのって体力がいるので避けてしまいがちですが、必要な事なんですよね。
わかってはいるんですけど、やっぱり避けてモヤモヤする私です。

ななさん☆こんばんは
問題の先送りをしているだけなのに、何故か本音は最後までしまったままってこと、ありがちです。(^_^;)
しちゃった後悔より、しなかった後悔の方が大きいって事がやっと分かるようになってきました。

あー、私も行動にばっかり目がいっていたかも…。そのうらにある「感情」に思いを馳せると、また違った読み方ができそうですね。

chiekoaさん☆こんばんは
感情をうまく表現できないから、その分過激な行動に出てしまうってこともあるんじゃないかなぁ?
人間は感情の動物だってことなんでしょうね。

Rokoさん、こんばんは。
そういえば、気持ちは詳しく書かれていましたが、感情、胸の内を話すことは、してなかったですね。
そこが不思議で、伝えなかった理由を考えてみると、また謎が深まっちゃいますけど。

藍色さん☆こんにちは
胸の内を話せなくなる位、相手との心理的距離が広がってしまっていたということなのかなぁ?
心を開けないままじゃ、夫婦も恋人も成立しませんよね。

こんにちは。
以前からブログを拝見していました。
文房具のが好きです。それと「B級グルメは今日も元気」も楽しみでいつも見ています。今度、市ヶ谷、麹町付近のお店も紹介して下さい。
ブログリストに登録しましたので今後ともよろしくお願いします。

モンガさん☆はじめまして
文房具や食べることもお好きですか?(#^.^#)
昔麹町に通っていたことがあるので、それを想い出して書いてみようかなぁ。
こちらこそ、よろしくお願いします。m(__)m

TBさせていただきました。
著者の本は久しぶりでしたが、独特のぶっきらぼうな感じが懐かしく感じました。

タウムさん☆始めまして
他の人が書いたらもっとドロドロしちゃいそうなストーリーなのに、川上さんだとサラッと言っちゃう感じが独特ですよね。
これからも、どうぞよろしくね。

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