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『ミーナの行進』 小川洋子

ミーナの行進
ミーナの行進
posted with amazlet on 06.12.09
小川 洋子、寺田 順三
中央公論新社

 朋子ちゃんはこの春から中学生になります。そして、この春からワケあって芦屋の伯母さんの家にお世話になることになりました。この伯母さんの家は高級住宅街の芦屋にあるのですが、その中でもひときわ大きな家なのです。

 この家に住んでいるのは伯父さんと伯母さん、ローザおばあさんと、いとこのミーナ、家政婦の米田さん、そして忘れちゃいけないのが「ポチ子」。朋子ちゃんはあっという間に、この家族に魅了されてしまいます。

 このお話は1972年を思い出しながら語られています。この年にはミュンヘンオリンピックがありました。朋子ちゃんとミーナちゃんは、全日本男子バレーボールチームの大ファンになるんです。朋子ちゃんは森田選手、ミーナちゃんは猫田選手のファンだっていうところが、2人の性格がよく出ていていいなぁ!

 大古選手のファンだったわたしも、あの準決勝の試合は熱狂して見ていました。 (^^ゞ
 正座して試合を見るっている2人の気持ち、よく分かるなぁ!
 あのころ東京体育館へ試合を見に行って、松平監督に握手してもらったことがあります。(ちょっと自慢)

 ローザおばあさんは、ドイツからお嫁に来た人です。アンネ・フランク研究をしている小川さんならではの思い入れが、彼女の描き方に出ているなぁと思います。はるか遠い日本にやってきて豊かな暮らしをしているけれど、遠い国の家族を思う彼女の気持ちはいつも満たされなかったのかなぁなんてことを感じました。

 主人公の朋子ちゃんも、遠くにいるお母さんのことを思って時々ホームシックになってしまうし。伯母さんはお酒と煙草を切らすことがないし。ミーナちゃんは身体が弱いし。米田さんには身寄りがいないし。

 傍から見れば豊かな生活をしているこの家の人たちも、決して100%幸せなわけじゃないというところに、人生の機微を感じてしまいます。

 幸せというのは誰かに与えてもらうものじゃなくて、自分が幸せだと思えるかどうかにかかっているんだなぁと、この家族に教えてもらえたような気がします。

 P.S.フレッシーの原型はこれじゃないかと皆さんがおっしゃっている プラッシー、まだ売ってたんですね。

633冊目

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日本の作家 あ行」カテゴリの記事

コメント

ミーナたちと同じ試合をご覧になったんですね~うらやましい!
文章から二人が男子バレーに熱狂している姿が目に浮かぶんですよね。
ああ、一緒に楽しみたかった。
カバのポチ子も、マッチ箱の物語も、そして洋館で暮らす人たちもとてもステキでしたね。

エビノートさん☆こんばんは
あの試合は本当に凄かったです!
わたしも決勝戦の方はあんまり覚えてません。(^^ゞ
登場人物全員、そしてポチ子、みんなステキでした。

Rokoさん、こんばんは。
まさに、作品に描かれたあの時代で、
ミュンヘンオリンピックに熱中されたんですね~。正直、うらやましいです。
朋子と一緒にミーナの家に同居しているような、素敵な物語でした。
幸せは、自分が幸せだと思えるかどうか、なんですよね・・・。
あ、プラッシー、画像ありがとうございます。
現物はオレンジ系で、こんな感じなのですね。

藍色さん☆おはようございます
>幸せは、自分が幸せだと思えるかどうか
そうですよね、そこが大事なんですよね。

昔のプラッシーはビン入りで、お米屋さんの店頭に並んでました。(懐かしいなぁ)
とはいえ、今でも売っているのにはビックリしたなぁ!

フレッシーはやっぱりプラッシーなんですね。
子どもの頃、従兄妹と取り合いになり、祖母が1ケース買ってきて「3人で全部飲みなさい」って。無理やり飲んで…それ以来飲めなくなった思い出深い飲み物です。

ななさん☆おはようございます
自分が子供だった頃のことをいろいろと思い出してしまいました。
ななさんはプラッシーを飲みすぎたんですね。(*^_^*)
昔は、子供の飲み物といえばオレンジ味でしたね。

こんにちは。
当時の記憶は全くないのですが、それでも懐かしさを十分に感じることが出来ました。
端から幸せそうに見えても、何がしかの寂しさを抱えているんでしょうね。
朋子の心の成長に読んでいて幸せさを感じました。

あおちゃん☆こんばんは
母親と離れて暮らす自分の寂しさよりも、周りの人のことを思いやることに気付いていく朋子ちゃんの成長は、微笑ましかったですね。
そして、ラストに登場したミーナちゃんのその後にホッとしました。

なにかほんとに、そういう「プラス」と「マイナス」のバランスが絶妙で、何事も心の持ちようなんだと…、しみじみ思いました。んー!いい本でしたっ!

chiekoaさん☆そうですよね
>何事も心の持ちようなんだと・・・
「心一つで温かくなる♪」なんて歌を思い出しちゃいました。(^^ゞ

こんにちは~♪
ミュンヘンオリンピック、ご覧になってたんですね~!二人の熱中振りがよく伝わってきました。私は運動音痴なんですが、二人が頭の中ではすごいプレーしているのに、実際ボールを手にすると上手くできないというのがすごくよくわかって・・・(苦笑)
プラッシーというのがあるのですね~私の記憶にある瓶入りジュースってコーラかバヤリースオレンジくらいしか記憶になくて(汗)
暖かい気持ちになれるとてもステキな物語でした♪

続けてすみません。なぜかTBがうまく送れないのでまた後で挑戦してみます。(汗)

板栗香さん☆こんばんは
ミュンヘンオリンピックの頃は、まだドイツが東と西に分かれていて、微妙な緊張感が世界に溢れていました。
でも日本は平和でしたねぇ!みんなが希望にあふれていたような気がします。

トラバの調子がおかしい事がよくあるので、あんまり気にしないでね。(*^_^*)

ものめずらしいものが次々と飛び出してきて読者を飽きさせないプロットなのですが、主人公はこの家庭のいろいろな人間関係に気がついて、けっこう気を遣うようになっていく。そういうところもよく描けていました。
挿絵もすばらしいし、じつに贅沢な作品だと思います。

ディックさん☆こんばんは
芦屋のお屋敷での暮しは微妙な人間関係があって、気は使うけど、でも暖かなものを朋子ちゃんは感じていたと思います。
こんな子供時代を過ごした彼女は、きっと心優しい人になったのでしょうね。

こんばんは♪
TBありがとうございました。ミュンヘンオリンピックのバレーの試合をごらんになってたんですね!それはそれはミーナたちに親近感わきますよね~
そうそう、記事に書くの忘れたんですが、私もプラッシー思いだしました♪

EKKOさん☆こんばんは
なつかしさがいっぱい詰まった本でした。
あの試合は、わたしが見たバレーボールの試合で最高のものでした。
芦屋のお屋敷でも同じように見ていたのかと思うと、何だか嬉しくなっちゃいました!

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