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『雷の季節の終わりに』 恒川光太郎

雷の季節の終わりに
雷の季節の終わりに
posted with amazlet on 07.01.15
恒川 光太郎
角川書店

 賢也は暮している穏(おん)という場所は、他所の世界とは隔絶されているらしい。ここは地図に載っていないし、その存在はほとんど知られていない。

 穏には特別な季節がある。冬と春の間に「雷」という季節があって、人々は家の中に閉じこもってひたすらこの時期が過ぎ去るのを待っている。特に子供たちは外に出てはいけないと言い聞かされている。「外には鬼がいて、悪い子は遠い地獄に連れて行かれる」 と。

 恒川さんの世界は独特ですねぇ!いつも冷たい空気に包まれているような、ゾクゾクっとする雰囲気にジリジリと引き込まれてしまいます。怖いけど目をつぶれないような、そっちへ行っちゃいけないと分かっているのに止まれないような、危うい魅力がいいですねぇ!

 賢也にとり憑いた「風わいわい」って、いったいどんなものなんでしょうか?とっても気になります。自分の中に自分以外の何かがいるという気持ちって、とても不安なものだと思うんだけど。でも、その自分以外のものと会話が出来るというのは、実は心強いのかもしれないなんて思ったりもして、とても気になるのです。

 自分の中に、外に見えているのとは違う誰かがいるかもしれないと感じることが、わたしはよくあるんです。弱気な人がわたしの中にいて、「ヤメトケ」とささやきかけてきたり、妙に強気な誰かが「イッチャエ!」と背中を押してきたり、そういうのも「風わいわい」の仕業かもしれないなぁと思えてきたのです。

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コメント

こんばんは、Rokoさん。
この独特な世界感がいいですね。

《》自分の中に、外に見えているのとは違う誰かがいるかもしれないと感じることが、わたしはよくあるんです。《》
Rokoさんのこの文章がなるほど、そういうこともありだろうと思ってしまいました。目に見えない力、「風わいわい」の仕業か。

モンガさん☆おはようございます。
「風わいわい」は沢山いるんじゃないかな?なんて、わたしは思ってるんですけど、モンガさんのところにもいますか?

こんばんは!
私の中にも「風わいわい」がいるかも?そう考えるとちょっと素敵かも。
いや、私の中にいるのは怠け虫かも…いつも「まだ大丈夫」「あとでやればいいよ」と囁いてます 苦笑
この冬の終わりに雷がなったら、ああ雷季がやってきたのかしら?なんて想像しちゃいそうですね。

エビノートさん☆トラバ&コメントありがとうございます。
雷が鳴ったら春が来るという「春雷」が、今後は違う意味に感じられそうですね。(#^.^#)

>怖いけど目をつぶれないような、そっちへ行っちゃいけないと分かっているのに止まれないような、危うい魅力

それです!それがあります。子供の頃からそういうのってすごく好きだったし、クローゼットが別世界への扉だったりとかいう話が大好きだったんで、大人になった今、それをこんなふうに読めてすごくうれしかったです。

juneさん☆こんばんは
別の世界への憧れって、どうして止められないんでしょう!
大人のためのファンタジーだなぁって思える作品でしたね。(#^.^#)

こんにちはー。
恒川さんの造る異世界はすごいですね。
自分も一緒に、この世界に踏み込んだような錯覚に落ちました。

子供の頃は天井裏に憧れたなー。
異世界じゃ無いって?(笑)

しんちゃん☆こんにちは
天井裏だって、立派な異世界ですよ!(#^.^#)
今日も雷が鳴っていましたけど、この物語のように雷の季節というのがあったら、わたしは家にこもって読書の季節にしちゃいますねぇ。

Rokoさん、こんばんは。
映像的な情景に想像力をかきたてられました。
映画化されたら見てみたいなって思いました。

トラックバックさせていただきました。
この記事と「夜市」のトラックバック
お待ちしています。

藍色さん☆こんばんは
この作品も「夜市」も、頭の中に別世界が広がりますよね。
トラバ送らせていただきました。m(__)m

文章は平易なのに見事に情景が浮かび上がる名文でしたね。
私は貧乏人なのでハードカバーは買わない主義でしたが、恒川光太郎さんの小説にはその価値が有り過ぎるので買いました。
「秋の牢獄」も買いました。読むのがデラ楽しみです。
恒川光太郎さんをお勧め頂いて大感謝しております。

goldiusさん☆こんばんは
恒川さんって、ホントに表現力がある作家ですよね。風景が目に浮かぶようです。
「秋の牢獄」を今日読み終わったのですが、これもまた素晴らしい作品でした。

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