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『水辺にて』 梨木香歩

水辺にて on the water/off the water

 梨木さんの作品では、いつも植物や動物など、自然との触れ合いが描かれることが多いのですが、この本で紹介されている梨木さんの日常は、実に自然に近いところにあるのです。

 山歩きをしたり、植物の観察をするだけでなく、カヤックを操るのも趣味だとは恐れ入りました。筋金入りのナチュラリストなんですね。

 水面に浮かぶカヤック上からダムの底に沈む村に思いを寄せ、鳥の鳴き声に季節を感じ、急に変わる天候に翻弄され、「ああ、こういう体験が作品の土台となっているんだなぁ」というような場面の連続です。

 サンカノゴイというのは大型のサギの一種で ~中略~ この鳥は危機的な状況になると、杭のふりをする。普段は短くコンパクトにしている首を、嘴、首、胴体まで下顎(というようなものがあるとして、その部分)から一直線に伸ばすのだ。(本文より)

 本の中でしか知ることが無かった鳥と出会って、その姿に見とれてしまったり。外見からは魚のように見えている鯨の骨格標本を見て、そこに骨盤が残っていたり、胸びれのように見えている部分の骨が実は腕と同じようなものであることに驚いたり、知るということの喜びにも満ちているのです。

 子供の頃に、外国の物語ばかり読んでいたせいか、普通の日本人とは違う感性になってしまったのかもしれないと、梨木さんは自己分析されているのですが、それだけが原因ではなさそうですね。梨木さんの伸びやかな好奇心こそが、彼女の個性の原点なのだと思えてくるのです。

P.S. 筑摩書房の「水辺にて」インタビュー記事は → こちら

657冊目

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日本の作家 な行」カテゴリの記事

コメント

Rokoさん、こんばんは。

梨木さんの「これ」と思った物に対する集中力、すばらしいですよね。
私と梨木さん、同じものを見ても
感じ方が全然違うんだろうなぁと感心しました。

ななさん☆こんばんは
何かに自分がのめり込んでしまう感覚というのは、人にはなかなか説明しづらいものなのですが、さすがに梨木さんはうまく文章にしてますよね。(#^.^#)
雪の日の湖って素敵だなぁと憧れちゃうけど、かなり寒そうだから、わたしには無理かなぁ!

梨木さんが非常に行動派であることを知った一冊でした。まさかカヤックに乗るのがご趣味とは、とちょっと驚きましたが、その理由がやはり梨木さんらしいですよね。日本語の美しい文章は、読んでいてとても心地よいですね!!

ERIさん☆おはようございます。
梨木さんの美しい言葉の世界は、こういうところから生まれてるんだなぁって感じることができる本でしたね。(*^_^*)

Rokoさん、おはようございます。TBさせてもらいました。

この作品、「Webちくま」に連載されていたのは知っていたのですが、どうもディスプレイでは読む気がしなくて本になるのを待っていました。音楽を聴くのはもうすっかりiPodばかりになってしまいましたが、読書は本以外はまだ当分考えられそうにないです。

インタビューも最高ですね。情報ありがとうございます。私のところでも紹介させてもらいます。

Kingdowさん☆こんにちは
わたしも Kingdow さんと同じく、読書は本に限ると思っている一人です。
でもインタビュー記事は web でたくさん読めるようになって嬉しいなぁと思っています。

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» 「水辺にて」梨木香歩 [ナナメモ]
水辺にて―on the water/off the water 梨木 香歩 カヤックに載りながら見る風景。考える事。水辺の町でであった風景、つむぎだす物語。 梨木さんってなんとなくナウシカのような人だって思いました。一人で森を歩き、そこに生息する動物や生えている植物に目を向ける。いつくしむ。一つの事に夢中になると突き詰める。そんな集中から物語が生まれてくるんだなって思いました。 ... [続きを読む]

» 水辺にて on the water/off the water 梨木香歩 筑摩書房 [おいしい本箱Diary]
梨木さんのエッセイです。 以前にも書いたことがありますが、梨木さんという方は、エッセイを読んでも 「生活」が匂ってこない。どことなくミステリアスというか、どこまでも アカデミックというか・・。このエッセイも、水辺がテーマなんですが、 水辺を漂いながら梨木さんがたどった思索の後を追う、という雰囲気。... [続きを読む]

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