『ミスター・ヴァーティゴ』 ポール オースター
- 著:ポール オースター 訳:柴田 元幸
- 出版社:新潮社
- 定価:740円(税込み)
ミスター・ヴァーティゴ
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書評データ
胸の奥底で、俺は信じている。地面から身を浮かせて宙に漂うのに、何も特別な才能は要らないと。人はみな、男も女も子供も、その力を内に持っているのだ。こつこつ根をつめて頑張っていれば、いずれは誰でも、俺がウォルト・ザ・ワンダーボーイとして成しとげたことを成しとげられるはずだ。まずは自分を捨てる、それを学ばなくてはならない。それが第一歩であって、後のことはすべてそこから出てくる。(本文より抜粋)
「わたしと一緒に来たら、空を飛べるようにしてやるぞ」という師匠の言葉を信じていたわけじゃないけれど、今の生活から逃げ出したかったウォルトは師匠と一緒に列車に乗ったのです。それが彼のとんでもない人生の始まりだったけど。後になってみれば、その決断は正しかったとウォルトは信じています。
師匠に連れて行かれたのはカンザス州の人里離れたところにある家でした。ウォルトはイソップという黒人少年と、マザー・スーという女性と、師匠との4人での生活が始まったのです。
この物語の舞台、1920年代のアメリカでは、白人が白人以外の人たち(アフリカ系、ネイティブ・アメリカンなど)を差別するのは普通のことだったんですよね。セントルイス生まれで、最初は人種的偏見を持っていたウォルトだけど、この暮しの中で差別意識を無くしていく過程がとても好きでした。
差別する気持ちって、無知から始まるんだなぁ、差別する気持ちを持つということ自体が、心の弱さの表れなんだなぁ、そんな自分が恥ずかしいなぁと感じることができたとき、ウォルトは一歩前進したんです。そんな心の弱さを克服することも、空を飛ぶ為の修行の一つだったんだと彼は気づいたのだと思います。
厳しい修行に耐えたウォルトは空を飛べるようになったのですが、この物語はその後のほうが長いんです。(*^_^*) その後にいろんな事件が起きて彼の人生は二転三転していくのですが、それは読んでのお楽しみということで。
「人生は万事塞翁が馬」 いいこともあれば悪いこともあります。どんなに悪い状態になったとしても、希望を捨てなければ、きっといいことがある!そういう気持ちにさせてくれる物語でした。
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コメント
TBさせていただきました。
自分と同じような感想を持っている人がいて安心です。
勇気づけられますよね。
どんなことがあろうと人生はとりあえずはつづくし、生きてはいかれると・・・。
投稿: タウム | 2007年4月17日 (火) 00:08
タウムさん☆こんばんは
何か一つ才能を見出したからといって、それで終わりじゃないんだ!どんどん前進して行かなくっちゃ!という気持になる本でした。(#^.^#)
何があろうと、陽はまた昇る!
投稿: Roko | 2007年4月17日 (火) 23:38
僕の、オースターランキング。
1位 、ミスター・ヴァーティゴ(Mr Vertigo 1994)
2位、 リヴァイアサン(Leviathan 1992)
3位、幽霊たち(Ghosts 1986)
4位、最後の物たちの国で(In The Country of Last Things 5位、鍵のかかった部屋(The Locked Room 1987)
6位、偶然の音楽(The Music of Chance 1990)
7位、ムーン・パレス(Moon Palace 1989)
8位、ティンブクトゥ(Timbuktu 1999)
9位、シティ・オブ・グラス(City of Glass 1985)
投稿: ウォルト | 2007年5月12日 (土) 23:52
Rokoさん、こんにちは~。
随分遅くなっちゃってごめんなさい。
なかなかタイミングが合わなくて…
ようやくTBとコメントができました!
この本は、空を飛んだ時点で終わりというわけじゃないのが
一番のインパクトだったですよね。
もちろん、空を飛んだ時点で終わっていたとしも
きっと面白い作品になったとは思うんですが
今の状態ほど心に残ることはなかったんじゃないかと…
いい作品でしたよね。読んでよかったです。
投稿: 四季 | 2007年11月18日 (日) 07:28
四季さん☆こんにちは
ドンドン想像もできないような展開をしていくこの本、とっても楽しかったですね。
ポール・オースターの本をもっと読みたくなりました。
投稿: Roko | 2007年11月18日 (日) 11:00