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『エリック・ホッファー自伝 ― 構想された真実』

エリック・ホッファー自伝―構想された真実

 読書の腕前 で紹介されていたこの本、想像以上に面白い本でした。自分らしく生きるとは?学ぶとは?人とどう関わっていくのか?そのすべてがこの本の中にあったのです。

 エリック・ホッファーの母親は彼がは7歳のときに亡くなった。その年に彼は失明し、15歳のとき突然視力が回復。正規の学校教育を受けていない。18歳の時に父親が亡くなり天涯孤独となった彼は、ロサンゼルスに渡り農家の季節労働者、レストランのウェイターなどの様々な職に就く。その後サンフランシスコで港湾労働者として働きながら著作活動に入る。

 ホッファーは一貫して肉体労働者として働き続けたのです。そして仕事が終われば図書館へ向かったのです。一度も学校教育を受けたことはないけれど、彼は独学で学び続けたのです。彼の才能を知った人達はみんな口を揃えて定職に就くことを奨めました。けれども彼はそれを笑って断り続けたのです。

 慣れ親しむことは、生の刃先を鈍らせる。おそらくこの世界において永遠のよそ者であること、他の惑星からの訪問者であることが芸術家の証なのであろう。

 彼が欲しかったのは安定した定職ではなく「自由」だったのです。肉体労働者の生活は不安定だと人からは言われます。でもホッファーにとって大事なのは仕事が終わってからの自由な時間だったのです。好きなだけ本を読み、好きなだけ思索を重ねることができる時間、それこそが彼が一番欲しいものだったのです。

 私はこれまでずっと、肉体労働をしながらものを考えてきました。素晴らしい考えは、仕事をしているときに生まれてきたのです。動労と話しながら繰り返しの多い作業に汗を流し、頭の中では文章を練り上げたものです。

  どんな時でも彼は考え続けていたのです。仕事をしながらでも、彼の頭脳はいつも自由だったのです。考え続けるること、それが彼の生き方だったとも言えるのです。様々な偶然が重なってホッファーは本を出版し、カリフォルニア大学バークレー校で週に一度、政治学を教えるようにもなりました。

 ホッファーは一生定職に就くこともなく、結婚することもなく、自由に生き続けました。「そんな根無し草のような生き方では、いずれ困るときが来る」と様々な人に忠告されても、決してその通りにはしませんでした。でも結局は困ることなく人生を終えることができたのです。

 彼の生き方を知って感じたのは、常識に捕らわれてはいけないということです。「これが常識だ」と盲目的に信じている何かに、がんじがらめにされていることってないでしょうか?自分は何のために生きているのかということを考えたら、体を壊してまで仕事をすることもないし、好きなことを我慢する必要もないのです。

 常識だとか、周りの人の意見とか、見栄とか、体裁とか、そんなもののために自分の人生をムダにする必要はありません。限界は自分以外の誰かが決めることではなく、自分自身が決めるものなのです。自分を自由にすることができるのは、自分自身だけなのです。

 この本を読み終わって、なんだか肩から力が抜けた気がします。そして、「わたしは、自分自身の為に生きるのだ!」という勇気が湧いてきました。

 自己欺瞞なくして希望はないが、勇気は理性的で、あるがままにものを見る。希望は損なわれやすいが、勇気の寿命は長い。希望に胸を膨らませて困難なことにとりかかるのはたやすいが、それをやり遂げるには勇気がいる。戦いに勝ち、大陸を耕し、国を建設するには、勇気が必要だ。絶望的な状況を勇気によって克服するとき、人間は最高の存在になるのである。

 この本は、今年読んだ本の中で間違いなく No.1 です!一人でも多くの人に読んでもらいたいと心から願っています。

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コメント

Rokoさん、引用文の配置が巧いですね!
本全体を巧く再構成し、理解がより深まる見事な引用ですね!
この本読んで、ホッファーに感動し、
Rokoさんの腕前にも感心出来て、
二重にお得な読書体験でした。
それから、私もFacebook始めたので、
暇な時に友達リクエストお願いします。
Rokoさんで探したのですが、見つかりませんでした。

goldiusさん☆おはようございます
安定した生活より自由な生活を選択したホッファーの事を知って、本当に感動したからこそ書けた文章です。
でも、ほめ過ぎですよ(^_^;)
Facebookの方でもよろしくお願いしますね。

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哲学者というものは、アカデミズムに閉じこもって、語る必要のない無意味な事を考える馬鹿かと思っていたが、65才まで肉体労働者として暮らし、余暇として哲学者デビューしたこんな凄い人もいたんですね。 哲学というと悪いイメージもあるので(えっ、俺だけ?)著者の名誉の... [続きを読む]

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