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『メタボラ』 桐野夏生

メタボラ
メタボラ
posted with amazlet at 08.04.10
桐野 夏生
朝日新聞社

 ジェイクが林の中で出会った男は、自分の名前も、何もかも忘れてしまったと言うのです。そこで彼にギンジという名前を付けました。

 過去を思い出せないギンジと、過去を語りたくないジェイク、2人は仲良くなっていったけれど、決してお互いの真の姿を知ることはなかったのです。

 健康で将来のある若者であったはずなのに、2人ともそれに気づいていませんでした。それどころか、自分で自分の可能性をどんどん狭めてしまうのです。

 将来の夢などなく、ただ食べるためだけに働き、それに疲れてしまう若者たち。とても悲しいことだけれど、それが悲しいということにすら気づいていないことに、何ともいえないやるせなさを感じます。

 やるせなくて、辛くて、悲しいけれど、彼らの生きざまに惹きつけられてしまいます。それは、とても他人ごととは思えないから。それは自分もハマってしまったかもしれない落とし穴だから。

866冊目(今年49冊目)

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日本の作家 か行」カテゴリの記事

コメント

Rokoさん こんばんは。
確かに誰でもこうなる可能性はありますよね。
分厚い本なのに、一気に読みました。
なかなか読みごたえのある作品でしたね。

naruさん☆こんばんは
「どうして、そこまで落ちていくのか?」という疑問と、「これは他人事ではないな」という怖さが、この本を読ませてしまうような気がします。
厚い本だけど、あっという間に読んでしまいました。

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