『東京島』 桐野夏生
無人島に流れ着いてしまった男たちと女1人、そこが何処なのかも分からず、助けが来るあてもなく、とにかく生きて行かなければという気持で、最初は一致団結したかに見えたのですが。
それがどんな環境であろうと、それなりに順応できてしまえば、そこには「社会」が出来上がるのですね。「社会」が出来上がれば「ルール」もできてきます。そのルールに従う人がメイン集団を形成し、そのルールに従えない人は「はぐれ者」としての生活をするしかなくなってしまのです。
木の実を採ったり、魚を釣ったり、蛇やトカゲを採ったりというサバイバル生活を、彼らはだんだんと覚えていくのですが、それを自然にやってしまう人と、しょうがないからやっている人に、確実に別れて行くものなんだなぁ。
そして、たった1人の女である清子から見た、後からこの島にやってきた中国人の男たちと、日本人の男たちの行動の比較が妙に可笑しかったのです。
魚や蛇を食べるにしても、ただ焼いたり煮たりすればいいと思っている日本人に対して、ヤシ油で炒めものにしたり、干物にしたりして、少しでも美味しいものを食べようとする中国人に魅力を感じてしまうのは、とっても良く分かるなぁと思ったのです。
無人島という限定された条件下で、どれだけアイデアを駆使できるかって競争になったら、日本人はとっても弱いでしょうね。何でもお金を出せば手に入る生活って、実は人間の能力を弱くしてしまってるのかも?
今回も性格の悪い人、頭のおかしい人、自己顕示欲の強い人、気の弱い人、などなど、変な人がたくさん登場します。でも、今回は無人島に住む人たちだからでしょうか、いつもほどイヤ~な感じの人はいないんですよ。どことなくマヌケっぽいというか、哀れな感じの人が多いなぁと思いました。
南の島に住んでいるのに頭の中は日本のままって所が、哀れな感じを生んだのかもしれません。
結局誰が幸せになれたのか?ってところは良く分からないけれど、良い人だから幸せになれるってものでもないし、悪い人だから不幸になるってわけでもないって事なんでしょうかね。
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コメント
それ、気になってる本なんですが、
図書館でまだお目にかかれてないです( ノД`)シクシク…
投稿: つたまる | 2008年7月29日 (火) 14:59
つたまるさん☆
図書館の予約待ち、わたしは50番目位でしたよ。
とりあえず予約じゃないですか~?
投稿: Roko | 2008年7月29日 (火) 21:16
こんばんは。
次から次へと現れる、身勝手で下品な登場人物たちに
またですか?と思いながらも、今回は情けなさが目立ってた気がしました。
幸せになるって運だけなのかも、なんて思っちゃうような結末でした。
投稿: 藍色 | 2008年8月 4日 (月) 03:12
藍色さん☆おはようございます
無人島から出たいという思いの強さが清子を支えていたんだなぁって思いました。
こういうのも「思考は現実化する」ってことなのかなぁ?
投稿: Roko | 2008年8月 4日 (月) 07:44
Rokoさん こんばんは。
桐野さんで無人島…と聞くと、人肉を
食べちゃうのかしらんと不安でしたが(笑)
清子したたかでしたね~。
結末もダークなままかな…と思ってたんですが。
そうそう、ちょっとマヌケっぽいところ
いろいろありました(笑)
その後、iPhoneの使い心地はいかがですか。
私も欲しいな~。
投稿: naru | 2008年8月 4日 (月) 21:32
naruさん☆こんばんは
このところダーク度が低い作品が多いので、次はドーンとまっ黒けなのを書いてくれないかなぁ!なんて思っちゃいますよね。
iPhoneはようやく慣れてきました。
でも、電話として使ったのはホンの数回だけ(-_-;)
投稿: Roko | 2008年8月 4日 (月) 22:56
実は、読む前はもっと象徴的な物語かと思っていたのだけれど、ほんとうのサバイバル記だったのでちょっと驚きました。
でも、読み始めてみると、やはり象徴的な部分も多くて、それが可笑しかったり哀しかったり・・・。
日本人と中国人の対応の差や、暮らし方の差が、とても興味深かったです。
投稿: ふらっと | 2009年1月12日 (月) 07:30
ふらっとさん☆おはようございます
こんな状況になったら、本当の意味での生きていく力の差が出るんでしょうね。
好き嫌いだの言っていたら生きていけないっていう生活は、現代の日本人には一番不得意なことかもしれないと思えてしょうがないのです。
投稿: Roko(ふらっとさんへ) | 2009年1月12日 (月) 10:18