『すすんでダマされる人たち』 ダミアン・トンプソン
世の中で知られている知識の中には、本当のこともあれば嘘もあります。それが嘘であるにも拘らず、何故か常識になってしまっているものすらあるのです。その嘘(ガセネタ・デマ)を信じてしまった為に、とんでもないことになってしまっている事が沢山あるんです。
運動をする時に水分を補給しなさいというのは現代では常識です。でも、数十年前までは「水なんか飲んじゃいけない」というのが通説でした。野球選手が夏だからプールへ行こうと言ったら「肩を冷やす」と怒られていました。今では肩や膝のアイシングは常識です。
時代によって変わってしまう常識というのもありますが、いつの時代にもデマを飛ばす人というのはいるのです。それも、デマを飛ばそうという悪意があってするのではなく、真剣にそう信じていて嘘の情報を流してしまう人というのが存在するんです。
有名人が「あそこの店は美味しいよ」と言えば、そこには行列ができます。TVに良く出ている人だから、あの人は人気があるのだと信じてしまう。ニュースでこう言ってたから、新聞にこう書いてあったから、そうなんだと信じてしまう。本当にそうなんでしょうか?
この本だって全部が本当かといえば、決してそんなことはありません。あくまでも、この本の著者の意見であるということを忘れてはいけないのです。
ある人の意見に対して、「わたしもそう思う」「部分的には賛同できる」「いや、こうじゃないか」と考えることが大事なのです。一番危険なのは、何も考えずに鵜呑みすることなのです。疑問を持たない人たちを扇動するのは、とても簡単なことなんです!
人の話を聞くことは大事なことです。でも、それよりも大事なのは、ゆるがない自分を持つことです。自分は何をしたいのか?自分にとっての優先順位はどうなっているのか?それは自分にとって本当に必要なのか?もっともっと考えなくっちゃ!
最近、つまらない政治家のニュースが多いですよね。でも、それって彼らだけの問題じゃないんです。どうでもイイやって選挙に行かなかった人、そんなつまらない人に投票しちゃった人。そう、我々みんなの問題なのです。
色んなことを真剣に考えなかったツケが溜まってこんな世の中になってしまったんだと、みんなで反省しなきゃいけない時期になったってことなんです。
今からでも遅くありません。真剣に考えましょうよ!アメリカにできたことが、日本でできない訳がないでしょ!わたしはそう信じています。
997冊目(今年32冊目)
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