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『チェーン・ポイズン』 本多孝好

チェーン・ポイズン
チェーン・ポイズン
posted with amazlet at 09.07.16
本多 孝好
講談社

 「でも、本当に死ぬ気なら、一年待ちませんか?」

 彼女は36歳、誰でも知っているような大きな会社に勤めているが、仕事の内容は入社したころから少しも変わらない。コピー取り、書類作成、「悪いけどさ、あれやっといて」と言われれば、残業してでも頑張ってきたけど、だからといって評価が上がるわけでもなし、出世するでもなし。

 学生時代の友達の殆どは結婚し、そうでなければキャリアを積んでいる。それに引き替え、何の取り柄もなく、恋人も、生きがいも、何もない自分に嫌気がさして、会社へ行くのを止めてしまったのです。

二十歳の原点 (新潮文庫) この物語の中に登場する「二十歳の原点」は、わたしも20歳の頃に読んだ覚えがあります。でも、どうして彼女が死ななければならなかったのか?未だに良く分からないのです。

 この物語の主人公は、この本に出会い共鳴します。孤独な人生に疲れた彼女は死を選ぼうとします。

 「どうせ誰もわたしのことなんか気にしてない」「わたしの居場所は自分の部屋の中だけ」みたいな気持ちになるのは良く分かります。わたしにもそんな時がありました。

 でもね、本当にそうなんだろうか?

 この物語に登場した「百合の家」のように、本当の家族でなくても一緒に生きていける場所が見つけられたら、孤独なんてありえない!

 家族って人生の基本だけど、そこに安らぎがないことも多くてね、近過ぎて本当のことを言い合えない苦しさってのがあるのだと思います。

 じゃぁ、本当の安らぎは何処にあるのかというと、友達じゃないかと思うんです。家族でもなく、会社の同僚でも、近所の人でもなく、直接利害が絡まない友達って、本当に大事なものだと思うんです。

 利害がないからこそ、本音で話ができるのだと思います。悩みを聞いてもらって、解決策は見つからなくても、一緒に悩んだり、泣いたり、笑ったりしてくれる人がいるということこそが、安らぎだと思うのです。

 最後のどんでん返しにはアッと思ったけど、「やっぱり、そうだったんだ!」という気持ちになりました。人間は誰かのためになら頑張れるものなのですね。

1043冊目(今年78冊目))☆☆☆☆☆オススメ!

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活字の砂漠で溺れたい
どくしょ。るーむ

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コメント

Rokoさん 御無沙汰です
二十歳の原点は未読ですが、この本多作品はとても良かったです。一作毎に奥深くなっていく本多さん、次作への期待はさらにさらに膨らみますねえ~

yoriさん☆おひさしぶりです (*^^)v
生きていく目標を見失ってしまうことの怖さをとても感じました。
本多さんの作品はまだ余り読んでいないので、他のも読んでみようかなぁと思っています。

こんばんわ。
私も「二十歳の原点」を読んだことがありますが、さっぱり意味がわかりませんでした(笑)
後に70年代頃の本を読み、自殺が美化され流行っていたせいかなぁと思いましたが。
自分を必要としてくれる人がいるのは生きる力になるのだと再認識させてくれる内容でしたね。
子供達も生き生きしていて好感がもて、気持の良い読後感でした。

ia.さん☆おはようございます
誰かの為に自分が生かされているのと同じように、自分の為に誰かが生かされているということを考えたら、自殺なんてできませんよね!
そこに気付けたからこそ、ああいうラストになったのでしょうね。

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