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『ファッションから名画を読む』 深井晃子

 ヨーロッパの名画と言われるものは、王侯貴族を描いたものが多いのは、彼ら自身が自分の姿を後世に残そうと考えたからです。当時の画家たちは「自分が描きたいものを描く」のではなく、「オーダーを受けて絵を描く」のが仕事だったのです。

 肖像画とは、現代の「写真」に近いものだと考えられます。自分たちがいかに豊かであるのかを示す「証拠写真」であったり、いいなづけのいる娘の姿を嫁ぎ先に知らせるための「ポートレイト」であったりしたのです。

 

王制を打倒した革命派は、貴族の象徴である「キュロット(ひざ丈の半ズボン)」と「白い絹靴下」に代えて、長ズボン(パンタロン)を着用していた。これが歴史的にも知られる、半ズボンをはかない人たち=「サン・キュロット」という呼称の由来である。(本文より)

 どんな服装をしているのかを見るだけで、その人がどんな階層の人であるのかということや、既婚/未婚の違いもはっきりと分かってしまいます。そんなことをこの本に教わりながら絵を見ていくと、これまで分からなかったことが見えてきます。

 ヨーロッパの貴族の子供たちは、小さな頃は男の子であっても女の子と同じようなドレスを着せられていたとか。身分の高い人たちは男女を問わず、必ず帽子をかぶっていたとか。絵画に登場する人たちを、これまで随分誤解してたんだなぁと思うところが色々ありました。

 流行りというのは、時にエスカレートしていきます。バッスルスタイルのように、そこまでしなくてもと思うほど大きなスカートが流行ったり、コルセットで無理やり細いウエストを作ったり、そういうところって今も同じなんですよね。

 マリー・アントワネットが流行りの白いシュミーズドレスを着た絵が下品だと酷評されたというのも、かつてミニスカートが出始めた頃の騒ぎと重なるような気がして、いつの世も、そういうことに口うるさい人って必ずいるんだなぁって思いました。

 その絵が描かれた当時の風俗や歴史を感じながらもう一度眺めてみると、いろんな想像ができて面白いものですね。

1116冊目(今年151冊目)☆☆☆☆

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コメント

PHP新書ですか、気がつきませんでした。
おもしろそうですね。さっそく入手したいと思います。

ディックさん☆こんばんは
西洋絵画に興味がある方なら、きっと楽しめると思います。
わたしは専門学校で服装史を勉強したことがあるので、改めて「そうなのかぁ!」と思うところが沢山ありました。

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