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『裏のハローワーク』 草下 シンヤ

裏のハローワーク
裏のハローワーク
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草下 シンヤ
彩図社

 昔から裏稼業というのはいろいろありました。求人広告なんか出せるわけない職業なのに、何故かそういう仕事をしている人ってのはいるものです。

 わたしの知り合いという範囲でも、借金取り、日雇い労働者を集めて現場に派遣する仕事、ヒモ、パチプロ、くらいはいますけど、もっともっと不思議な仕事が世の中にはたくさんあるんですねぇ。

 今一番注目を浴びている仕事(?)である「原発作業員」は、実に不思議な仕事なんですね。原子力に関する知識など全くいらない清掃などの軽作業がほとんどで、やりたがる人が少ないから仕事は常にあるというのです。実際には原発のそばに住んでいて、それ以外の選択肢がないという場合が多そうな気もするのですが。

 「鍵師」がかなり危険な仕事だということには驚きました。鍵を開けるという作業は、犯罪がらみの場合がかなりあるのだそうです。やくざに頼まれた時よりも、警察に頼まれる時の方が嫌な仕事が多いってのは、何だか分かるような気がしました。

 夜逃げって、昔はうちの近所でもよくありましたけど、最近もかなり多いんだそうです。阪神大震災の時には、震災で亡くなったと思わせておいて、別の場所で新しい戸籍を用意して、完全に別の人間になってしまった人が何人もいたのだとか。今回の震災でも「夜逃げ屋」さんは、きっと活躍しているのでしょうね。

 「マリファナ栽培」「偽造クリエイター」「ヤミ金業者」なんてのも確かに悪い商売ではあるけれど、それを必要とする人がいるからこそ存在するものだって思えるのですが、「臓器ブローカー」ってのは、どうにも嫌ですねぇ。先日観た「わたしを離さないで」を思い出してしまうからかもしれませんが。

 合法で行われる臓器移植だけでは、順番待ちしている間に死んでしまうから、非合法で臓器を入手したい人がいるって事実は理解できます。でも、だからといって第三世界の人たちの臓器を売買する仕事ってのは、あってはいけないことだと思うのです。

 仕事に貴賤はありません。どんな仕事にも意味があります。でも、できることなら手を染めたくない仕事というのが世の中にはたくさんあります。何故そうなるんだろうって事を考えることも大事だなと思いました。

1299冊目(今年40冊目)☆☆☆☆☆

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