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『人質の朗読会』 小川 洋子

人質の朗読会
人質の朗読会
posted with amazlet at 11.06.12
小川 洋子
中央公論新社

 やがて私は彼らの語り口調から、一人一人の姿かたちを想像する様になっていた。
 張り詰めた鼓膜に、朗読は心地よく染み込んできた。
 几帳面な声、途切れがちな声、みずみずしい声、のびのびと素直な声、ずっと前に死んだ祖母に似た声、・・・さまざまな声があった。(本文より)

 観光で訪れた異国の地で反政府軍の人質となってしまった8名の日本人がおりました。彼らを奪還しようとしていた政府軍は、彼らの様子を知るべく盗聴器を設置したのです。そこから、自分たちの子供の頃の思い出を文章にし、それを朗読する彼らの声が聞こえてきたのです。

 彼らが語るのは、子供の頃に出会った不思議な人の物語です。それぞれに違った物語があるのですが、彼ら全員に共通しているのは、その不思議な人との出会いが、自分の人生の方向性を決めたということです。

 8人の物語と、最後の物語が見事にかみ合って、やっぱり小川さんの作品には魅了されてしまいます。

 もし、わたしがこのメンバーの中にいたら、どんな話をするんだろうなぁ?

P.S. 表紙の子鹿がとっても可愛くて読む前から気になってたんです。
 本を読み終わって、もう一度この小鹿を見てみると、話をじっと聞いているように見えてきました。

1311冊目(今年52冊目)☆☆☆☆☆☆

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活字の砂漠で溺れたい
どくしょ。るーむ。
soramove

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日本の作家 あ行」カテゴリの記事

コメント

 僕も小川さん結構好きですよ。記事をお読みしたら、ペルーの大使館占領事件と『デカメロン』が一緒になったような。こら、現代とルネッサンスの融合点ですね。デカメロンもペストの流行で郊外に監禁状態になった複数の男女が語り出す別々の人生の別々のエピソードが見事に交錯する構成ね。

 ところで、僕の後輩で「流せ股閉じ」君という人がいます。この人はよく僕の家に泊まって、味噌汁を飲んで帰っていったけど、「どこでも勝手に眠り出して。そういう風に眠れるのだけが自慢」って、本当に浮浪者みたいな人です。しかもよく振られるし。

流せ君  「じんくろさん、やっとできたよ、僕の最高傑作です。読んでください」

 という小説な大抵、龍(村上ですな)の奴の長編をパクりだったりして。にゃは! それでも、決して悪い人じゃないです。うーむ、これじゃ、なんかちっとも誉めてない気もするけどなあ。

 流せ君は、僕んちで、僕のお奨めで、一緒に『アフリカの女王』を観たんですね。でね、これ、ボギーとキャサリンヘップバーンがちいさなボートで2人っきり、5日位かな一緒に下流に下る話ね。するとね。ボギーが泣かすんですよ。それは置いといて、

流せ君  「じんくろさん、ボギーとヘップバーンみたいにさ、こんな身の上話なんて人間真面目にしないですよ。絶対ないもん。僕らはしないしない。こんなの嘘嘘、嘘だって」

 な~んて、ぶーたれておりましたですはい。一応映画史に残る名作で、それこそ僕に言わせたらば、ちょっとない水準でボギーがかっこいい感動巨編なんだけどねえ。そんな流せ君も、すでにして40超え。時々思い出すそです。

流せ君 「『いきなり、フリーアルバイターの視点からじゃあ人生は書けへんで。こりゃ、凄いってもんを書きたかったらさ、まずは就職はしとけよ。作家になるなら、人生の勉強が大事だろうが。間違いなく、会社ってのはそれぞれ人生の縮図だかんね』って、じんくろさんに言われたのが3年生の冬の文芸部クラブボックス。あれはじんくろさんの最後の寄稿号、機関誌冬号の編集作業を一緒に終えた2人切りの午前3時。そいから、じんくろさんがふらっと母校を訪れて、冷房の効き過ぎた学生街の喫茶ユニバース(←当たり前のように今はもうないのですが)で、『これからね、なけなしの貯金で作家浪人を始める』って、煙草の灰をこぼしながら、ぽつりと(←諸事情あって、一般社会のハードルの高さに消耗気味)漏らしたのが4年生の夏の話、内定を貰った次の日でしたねえ」なんてね。

 僕もこうしてみると、その時々の状況次第で、行き当たりばったり。どうでもいいことばっか言ってるような気がしますが^^。ま! 人間いろいろあって現在がある。すでにして、我々この歳位になるとね、ほら、「有名GMSの渋~いベテランマネージャー」と「未だにボロ雑巾が廊下に身をこするみたいに這いつくばって生きてる、なんちゅうか未練たらしく、夢を追い続けるフリーライター」のいっちょ上がりですね。そら、時々ばったり会って、立ち話でもすると、お互い様です。長~い長い身の上話でも始めたくなりますですはい。

 そんなこんなでね、結構、我々が今こうして息を潜めて、じっとしてるこの部屋の窓の外ってさ、未だにペストだか、反政府ゲリラの有象無象があっちゃこっちゃに飛び回ってるのかもね。しかし、相変わらずRokoさんの紹介記事はみずみずしい。小川さんの文章のあやがすーとRokoさんを経由して入ってくるみたい。にゃ訳で。チャオ!

Rokoさん こんにちは
平凡の中にある奇跡。
素敵で、でも何処か物悲しい、
小川さんらしい、味のある短編集でしたね!

yoriさん☆こんばんは
不思議な、なつかしいような、何とも言えない気持ちになってしまう物語ばかりでした。
小川さんはホントに素晴らしい!

こんばんは。
これ、本当に良かったです。
一人ひとりが語る物語は何気ないものでしたが、どれも心に沁みるものでしたね。
「自分ならどんな話をするだろう」というのは私も考えましたよ。
ビスケットの話と槍投げの話が特に好きだったので、似たような体験がなかったかなぁとか思ったり(笑)
ラストの話で全体が締まった印象なのもさすがですよね。

ia.さん☆こんばんは
小川さんの描く物語は、静けさと優しさが溢れてますね。
ずっと忘れていた何かを思い出させてくれるような、わたしにもこんな話があるのよと言いたくなるような、とても素敵な本でした。

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