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『パラダイス・ロスト』 柳 広司

パラダイス・ロスト
パラダイス・ロスト
posted with amazlet at 12.09.08
柳 広司
角川書店(角川グループパブリッシング)

 ジョーカー → ダブルジョーカー という前2作で終わりかと思っていたので、この3作目「パラダイス・ロスト」が出版されたのは、本当に嬉しいです。

 今回は、第二次世界大戦前の微妙な世界体制を描いています。それにしても、D機関の周到な作戦は相変わらずです。

 当時の日本軍の考え方は、

  • スパイなどという姑息な手段に頼ってはいけない
  • 敵に捕まるくらいなら自決せよ

 だったのに、結城中佐率いるD機関の考え方は全く違っていました。

  • 世界を相手に戦うなら、スパイ活動は必須である。
  • どんな状況にあろうと、相手を殺さず、自分も死なず

 この違いは余りにも大きいものです。情報をいち早く掴む、あるいは自分たちに有利な情報を相手に意図的に渡しておく、といった情報戦はいつの時代でも必要です。

 そして、相手も自分も死なずに済む方法を考えろ、というところも実に素晴らしいです。優秀なスパイを養成するには時間も手間がかかっていることはモチロン、それだけの才能を持った人を無駄死にさせてはいけないという考え方を、日本軍は持っていませんでした。

 永遠のゼロを読んだ時にも痛切に感じたのですが、優秀な才能をモノ扱いしていた日本軍の愚かさを結城中佐は理解していたのです。

 最近ニュースを見ていて思うのは、優秀な人材を海外へ流出させてしまっている日本という国の危うさです。この体質は、日本軍の思想とちっとも変らないのだと悲しくなってしまいます。

 結城中佐のように現実を直視して、なおかつ将来の事まで展望できる優秀な指導者は、どこにいるのでしょうか?

1432冊目(今年73冊目)☆☆☆☆☆

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日々の書付

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日本の作家 やらわ行」カテゴリの記事

コメント

Rokoさんへ
「パラダイス・ロスト」読み終わりました。(*´∀`*)
スパイの頭脳戦というより、殺人事件のミステリ仕立てが印象に残る回でした。

D機関シリーズは戦争を扱っているにもかかわらず、悲惨な雰囲気にならないのは、D機関が殺人を否定しているのと、舞台となっているのが、シンガポールや上海、仏印など、異国情緒の描写が美しいからだと思います。どの都市もエキゾチックで、D機関メンバーが活躍するのにふさわしい場所ですね。

これからもシリーズは続くのでしょうか。戦争に突入したあとのD機関はどんな活動が待っているのでしょうね…。

日月さん☆こんばんは
この時代の外国って、今よりもエキゾチック感が高いような気がします。タイムスリップして、彼の地へ行ってみたいと思えてきます。

いつの時代にも、理解されない真実があることが多いのは悲しいですねぇ。
だからこそ戦争が起こってしまうのかもしれませんが。

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旧日本陸軍のスパイ組織・D機関の活躍を描いた『ジョーカー・ゲーム』シリーズ第三弾『パラダイス・ロスト』。スパイたちの繰り広げる頭脳戦は、読むたびに痛快で、ハラハラドキドキさせられます。 ・誤算 フランスへ潜入したD機関メンバー「島野」は、不測の事故で一時的な記憶喪失にかかり、自分の名前も任務も思い出せないまま、レジスタンスたちと行動を共にすることになる。彼らの隠れ家に身を隠すものの、そこにはドイツ兵たちが迫ってくる。 しかしさすがはD機関メンバー。相次ぐ誤算が生じた危機に「島野」は冷静... [続きを読む]

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