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『世界から猫が消えたなら』 川村 元気

世界から猫が消えたなら
川村 元気
マガジンハウス

 余命幾ばくもないと宣言されてしまった主人公(30歳、郵便配達員)の前に現れたのは、自分とそっくりの顔をした悪魔でした。悪魔は笑顔でこう言うのです。「この世から何か1つを消したら、君の命を1日伸ばしてあげよう。」

 チョコレートが消え、電話が消え、映画が消え、時計が消え・・・

 そういうものが無くなって、多少不便だったり、惜しいなぁと思ったりもしたけれど、無ければ無いで済んでしまうものでした。

 そうですよね。100年前の日本の生活には、そんなもの全部なかったんですもの。便利なものに囲まれているのが当たり前の世界に生きていると、ドンドン余計なものが増えてしまうことに気付けなくなってしまうんだなぁって思いました。

 そして、最後に悪魔に提示されたのは「猫を消す」ということでした。 「猫を消すくらい、大したことじゃないでしょう」と悪魔はいうけれど、どうにも悩んでしまう主人公でした。

 「今日が人生最後の日なら、今日することは自分がしたいことだろうか?」というスティーブ・ジョブズの言葉を思い出しました。

 運命なんて分かりません。あと50年生きられるのか、5分後に死んでしまうのかなんて分からないんです。長生きできたとしても、歳を取って体力、気力が充実しなくなったらできなくなってしまうことも沢山あるでしょう。

 いつ死んでも悔いが残らないように生きること、それこそが人生を大事にすることなのだと気付かせてくれたこの本に感謝します。

1534冊目(今年59冊目)☆☆☆☆☆

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