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『カミングアウト』 砂川 秀樹

カミングアウト

砂川 秀樹

 カミングアウト= 自分が性的少数者であると打ち明けること。

 LGBTという言葉がようやく世間で認知し始めてきた日本ですが、まだまだ理解度が低い、あるいは全くわかっていない人が多いのです。

 2015年に発生した「一橋ロースクール事件」はその典型的な例でした。同級生のZさんを好きになったAさんが、彼のことを好きだと告白したのです。Zさんは、Aさんと付き合うことはできないが友人として付き合っていくことはできると返事してくれたのです。

 ところがZさんはAさんも含まれているLINEグループ内で、Aさんはゲイであるという発言(アウティング)をしてしまったのです。その事実がAさんを追い詰めてしまいました。

 その時に学校のハラスメント相談へAさんは相談へ行ったそうなのですが、担当者は「性同一性障害」の診察を受けてはどうかという回答をしたのだそうです。ハラスメント担当者は「ゲイ」と「性同一性障害」の区別さえついていなかったということも、Aさんにとっては大きなショックだったそうです。

 この世のすべての人から否定されたと感じたAさんは、最終的に自殺してしまったのです。

 自分は性的マイノリティであると告白されたとき、それをどう受け止めるか?受け止め側には大きな責任が発生するのです。自殺しないまでにも、精神的に大きなショック受け、それを引きずって生きている人はたくさんいるのです。

 特にカミングアウトが難しいのが肉親、特に親なのだそうです。兄弟姉妹は比較的理解を示してくれるのですが、自分より上の世代の人たちは、LGBTに対して否定的な感覚を持っている人が多いのです。それは病気ではないのか?それは時間がたてば変わるのではないか?などと言われたり、説明すら聞いてくれず「気持ち悪い」扱いされてしまうことが怖くてカミングアウトできない人がたくさんいるのです。

 カミングアウトを受け入れた家族の方にも、様々な悩みが発生するのだそうです。自分の育て方のせいでこうなったんじゃないか?自分は理解できても、親戚にはどう説明するのか、しないのか?

 人はみな違う生き方をしています。「ふつう」なんてものはないのです。それぞれの違いを受け入れることはとても大事なことです。でも、もし受け入れられないなら、それとどう対処していくのか?を真剣に考えなければなりません。

 わたしたちは決して1人では生きていけないのですから、それぞれの足りない部分を補い合い、それぞれの良いところを認め合い、共存していくこと、それを一番に考えるなら、カミングアウトのハードルはずっと下がっていくと思うのです。

 こういうことが良く分からないなと思うなら、ぜひこの本を読んでみてください。すべての人が生きやすい世界を実現するのは、1人の小さな理解からなのですから。

1407冊目(今年65冊目)☆☆☆☆☆☆

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