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『逆回りのお散歩』 三崎亜紀

逆回りのお散歩

三崎亜紀(みさき あき)

〇逆回りのお散歩
 地方都市A市とC町の行政統合が間もなく行われることになっていることを聡美は知っているけれど、これは行政が決めたことで、自分にとってはどうってことない計画だと思っていました。

 でも、その行政統合に対して反対をしている人がいるという事を知ってから、何か嫌な感じがしてきたのです。誰が何のために、この計画を立てたのか?という事です。そしてC町がA市を乗っ取ろうとしているという噂はどこから出てきたのか?も気になってきました。

 そしてある日、反対運動をしている人たちを見かけたのに、TVで流れるニュースではそのことを全く報道しないのを見て、自分たちは真実を知らされていないということに驚いたのです。

 わたしたちが暮らす社会で起きていること、それが事実として残るのか、無視されるのか、全部記録されるのか、都合の良いところだけ記録されるのか、それらは記録する側が決める問題であって、かなりの部分が消されているのかもしれないのです。

 最近のニュースを見ていると、そんなことばかりです。そんな規則を誰が決めたのか?どういう経緯でそうなったのか?何だかよく分からないところで、かなり重要なことまで決められてしまっているのです。

 誰かが気が付いて「それ、間違ってませんか?」と言っても「もう決まったことですから」と役所(政府)は言うのです。「多少の不都合はございましても、予定道理に遂行いたします。」

〇戦争研修
 この作品は「となり町戦争」のスピンオフ作品なのかしら?自治体が戦争を行うことに対して補助金が出るという、ちょっと変わった形の町おこしというところが、これまた怖い話だなぁと思うのです。

 この本には「逆回りのお散歩」と「戦争研修」の二編が収められています。

 こういう不条理な感じを三崎さんは描き続けています。作品を読んでいると、なんだか背筋がゾクゾクっとする感じがしてくるのです。

 そんなこと現実には起きないよと思えることと、いやいや、そういうこともあるかもしれないという気持ちの狭間を突いてくる三崎さんの作品は、やっぱり面白いのです。

1658冊目(今年196冊目)

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