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『四千万人を殺したインフルエンザ』 ピート・デイヴィス

四千万人を殺したインフルエンザ
Catching Cold

ピート・デイヴィス
Pete Davies

高橋健次 訳

 1918年のスペイン風邪で死亡し、北極の永久凍土に埋葬されていた7体の以外を掘り起こし、その肺からウイルスの残骸を取り出そう、という計画が1998年夏、実行に移された。(本文より)

 スペイン風邪は、世界中で4千万人以上の犠牲者を出しました。日本では1918年11月に商業演劇の先駆者として知られる島村抱月が亡くなり、その2か月後に女優の松井須磨子が後追い自殺しました。東京駅を設計したことで有名な辰野金吾も1919年3月にスペイン風邪で亡くなっています。

 本文中で日本におけるスペイン風邪の犠牲者は25万人ほどとなっていますが、現在の定説としては38万人内外とされているのだそうです。

 約100年前にスペイン風邪が猛威を振るったころ、その原因がウイルスだということは知られていませんでした。ですから、どうしてこの病気になるのか?どう治療すればいいのか?などすべてが分からない状態だったのです。

 結局この病気は様々なことが不明のまま収束していきました。一説によると、ウイルスの力が強すぎて感染した人がすぐに死んでしまうので、それが感染が広がらない理由となったのではないかというのです。つまりスペイン風邪をやっつけたのではなく、勝手にいなくなったということなのです。

 ですから、このウイルスについて調べてみたいという人が現れたのです。永久凍土を掘ってウイルスを取り出し、調べてみたいと思ったわけです。その後、様々な人たちの努力によってH1N1型のウイルスであったことが分かったのです。

 スペイン風邪が流行った当時、第一次世界大戦が勃発していました。最初はアメリカ軍で大流行し、若い戦士がバタバタ死に、戦争どころではなくなったというのです。ドイツ、イギリス、フランスなど大戦に参戦していた国では、戦力に関わることなので、この病気についての発表がありませんでした。当時戦争に参加していなかったスペインだけが病気の発生を公表し、その結果「スペイン風邪」という名前がついてしまったのだそうです。

 今、世界中で猛威を振るっている「新型コロナウイルス」はどうなっていくのでしょうか?原因は分からないにせよ、特効薬は見つかるのでしょうか?そして、いつ収束するのでしょうか?

 そして、その後の世界はどうなっていくのでしょうか?何年か後に今起こっていることを振り返って、どんな評価となっているのでしょうか?分からないことがたくさんあり過ぎですね。

1772冊目(今年77冊目)

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