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『ニート フリーターでもなく失業者でもなく』 玄田有史 曲沼美恵

ニート  フリーターでもなく失業者でもなく
玄田 有史、曲沼 美恵
幻冬舎

 ニート(NEET)とは、Not in Educatin, Employment or Training の頭文字を取った言葉です。

 フリーターの場合は定職に就いていないというだけで、何らかの仕事はしている。コンビニ、飲食店、配送関係の業界ではフリーターの労働力はかなりアテにされている。

 ニートはフリーターですらない。働いていないというか、働けない人達だ。まわりの大人や社会は「とにかくバイトでもいいから働け」というけれど、それができない。そんな彼らの人口はどんどん増えてきている。学校を出たまま仕事をするでもなく、勉強するわけでもなく、目標がないままに歳を取っていく彼らは何を求めているのだろう?

 「働こうとしない人って、どんな仕事をしたいかが分からないんじゃなくて、何をして遊びたいかが分かってないんじゃないかな。(中略)給料で自分の欲求を満たす訳じゃないですか。飯が食いたいとか、車買いたいとか、海に行きたいとか、スノボやりたいとか、なんか欲求があったら、それをするためには仕事せんとできないでしょ。」(本文より抜粋)

 大人には理解できないニートの心理を、この言葉はうまく表現できているように思う。これは高校を中退して、今は水商売をしている青年の言葉だ。彼自身はやりたいことのために働いている。目の前でニートを見ている同世代だからこそ分かるのではないかな?

 子供の頃から上の学校へ行くというレールに乗せてしまい、他の選択肢を与えなかった大人がニートを作り出してしまっているのだとしたら、これからもニートは増え続けていくはず。

 このところ少子化が問題視されているけど、それがもたらしたニート人口の増加も、もっと真剣に考えないといけないなと思う。だって、人数が少ない上に働かない子供達を養う大人達はどんどん高齢化しているのだから。

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ビジネス・経済」カテゴリの記事

コメント

土曜日の「be report」でも取り上げられています。求職活動をしない理由として「人付き合いなど会社生活をうまくやっていく自信がない」というのが43.1%でした。それから分類すると、非行型、ひきこもり型、自己実現追求型、自信喪失型などがあるようです。

さらに「なんとなく」ニートしているひともあるようです。やっぱり日本は裕福だ、と思ってしまいます。

ニートになる人って、対人関係が不得意な人が多いみたいですね。自分をどう評価されるかが怖いとか、知らない人と話をするのが苦手とか。そういう気持ちって誰にでもあることなんだけど、自分だけがダメなんじゃないかって思いこんでしまうからつらいんですよね、きっと。
人からどう見られようが、わたしはわたしって思えればいいんだけどね。そこを乗り切る勇気ってどうすれば身に付けられるんだろう?

いまさらですが、お邪魔します。COCO2です。
玄田さんらの姿勢は、働く自覚を促すとか、性急に突き詰めないところがいいですね。
緩やかに社会とつながる感覚を大事にするというか。
また面白い本教えてください!

COCO2さん☆コメントありがとうございます。
日本って国はどこへ行こうとしてるんだろう?って考えさせられる一冊だと思います。
いろんな事を考えなければいけないし、かといって考えすぎてもいけないっていうバランス感覚が今求められているのかなぁ?
わたしは面白そうだと思えば何でも読んでみるので、それが参考になればうれしいです。
これからも、どうぞよろしくね。

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