『観光コースでない東京』 轡田隆史
先日の新潟中越地震から、はや一ヶ月経ちました。仮設住宅はできましたが、被災者のみなさんが元気に暮らせること、1日も早くの復興を祈るばかりです。
今年は台風による洪水も何度も発生しました。2004年は天災が多かったねと、後から思い出すような年になるのかもしれません。
東京で災害といえば、関東大震災です。両国の陸軍被服本廠後の空き地に大量の人々が逃げ込んだのですが、彼らが持ってきた家財道具に火がつき、38,000人もの方が無くなったのだそうです。この数字は、関東大震災による全東京市の死者の55%に当たるというのです。
その方達を霊を供養するための東京都慰霊堂、震災記念館、関東大震災の遭難死者に加え東京大空襲(昭和20年3月10日)などによる身元不明の遺骨も併せて、162,600体の遺骨が安置されているのだそうです。
東京都慰霊堂は、築地本願寺を設計した伊東忠太氏の作で、余りにも立派なその姿に圧倒されてしまいます。観光コースではないけれど、こういう所へたまには足を運ぶのも大事なことだと思います。
わたしは、毎年3月10日前後にここへ行くことにしています。そして災害や戦争が無くなることを祈っているのですが、わたしの願いはなかなか神様には届きません。
政治家が行ったとか行かないとかで、いつも問題になっている靖国神社の「遊就館」には、沢山の戦争に関する資料があるんだそうです。ゼロ戦や人間魚雷「回天」なども陳列されているのだそうですが、わたしは怖くてまだ行っていません。
イスラム教徒による自爆テロによる事件が最近頻発していますね。こんなことを言ったら批判を受けてしまうかもしれないけれど、特攻隊や人間魚雷を送り出していた日本軍だって、昔は似たような事をしてたじゃないかなんて、ついつい考えてしまうのです。
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» 商人の自伝に記された大正関東地震 [梟の森]
「自伝抄録・祖父の肖像」より、関東大震災の記述(抜粋)。 『………私の付近では潰 [続きを読む]
梟の森さん☆
TBありがとうございます。
関東大震災は、地震の大きさももちろんですが、火災によって大惨事となってしまったのですね。
現在の東京で同じような地震が発生したら、震災当時とはまた別の理由によって、大きな災害になってしまうのでしょう。
もうすぐ3月10日がやってきます。東京大空襲から60年たったわけですが、世界のどこかでまだ同じような事が起きているという事も、忘れてはいけないと思うのです。
投稿: Roko | 2005年2月16日 (水) 17:56