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『ハネムーン』 吉本ばなな

ハネムーン (中公文庫)
吉本 ばなな
中央公論新社

 ばななさんの小説って、いつも不思議な空気が流れています。さらっとしていて、どこにでもいそうな人のようで、でも、こんな人実際にはいないという感じの人物が登場してきます。このお話の主人公もそう、不思議な女の子と男の子のお話です。

 人間が2人以上同じ家に住んでいれば家族か形成され、その家族が個人に影響を与えるんですよね。鶏が先か、卵が先かって感じですね。同じ屋根の下にいても、決して心を許さず、家族を形成できない人達もいるけれど、それだって家族というものに抵抗するという方法で、家族からの影響を受けてるって事になるのではないでしょうか?

 ずっと一緒に住んでいるから分かり合えること、一緒にいても分からないこと、離れていても分かること、離れているから分からないこと、それぞれが大事なことなのだと思うのです。

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