『話が面白い人のちょっとした習慣術』 高嶋秀武
「何だか世の中って、変わっていると思わない?白人のスポーツのゴルフの世界一は黒人系のタイガー・ウッズ、黒人のものだったラップの世界一は白人だって。ヨットのアメリカズカップは海のない国のスイスが優勝。イラク問題ではフランスがアメリカに文句を言って、ドイツは戦争を嫌がって逃げ回っている。」実はこれ、ニューズウィークのジョークのページに掲載されていたものを、しゃべり言葉に直したもの。一応、世間で関心があることをテーマにしながら、今までの常識やイメージ、さらに第二次世界大戦の経緯などを踏まえ、世の中の変化の一端を言い当てている。しかも、批判精神も込められている。これぞ世間話の高等テクニック。(本文より抜粋)
面白い話って、もちろん内容が面白いってことが大事だけど、タイミングとか、相手の趣味とか、時間帯とか、いろんなファクターにきちんと適応できるかどうかってことにかかってるわけですよね。悪い例として良くあげられるのが「結婚式の祝辞」。前の人と同じネタを繰り返す人、やたらと話が長い人、面白いと思っているのは本人だけっていうジョークを使う人。こういう人達ってきっと、他人の話なんか聞いてないんでしょうね。ちゃんと聞いてたら出来ない技だもの。
この本にも出てきますけど、NHKのアナウンサーだった鈴木健二さんという話術の名人がいらっしゃいます。TVで鈴木さんの「スピーチについて」というスピーチを聞いたことを、ふと思い出しました。
「結婚式などの招待された時のスピーチは、基本的にはその日の主人公についてのエピソードを1つお話しします。あれもこれもと詰め込んではいけません。所要時間は1分間、この程度の長さでしたら、つまらない話でも飽きずに聞いていただけます。」
話のうまい方は、ムダに長い話はしないんですね。下手な人に限って話が長いんです。原稿に頭をつっこんで、聴衆の顔も見ないで話をする人って結構多いけど、あれって何なんでしょ?話を聞いて欲しいって本当に思ってるのかな?自分が喋りたいだけなのかな?
日常会話の中では、いろんな情報を沢山持っていて、それをうまく伝えてくれる人の話はもちろん面白いですよね。逆にそういうものを知らなくて、失敗しちゃったことをネタにして話をできる人っていうのも、話のセンスがあると思うんです。
面白い会話をするって、簡単そうで奥が深いなぁって思います。
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