『夜回り先生と夜眠れない子どもたち』 水谷修
子供は失敗して当たり前である。でも、その失敗を許せない大人が余りにも多すぎる。「こんなこともできないのか」「なにやってるんだ」「そんなことでどうする」家庭や学校では、そんな心ない言葉が満ちあふれている。そんなに子供はダメなんだろうか。わたしはそう思わない。
せめてひとことだけでいい、身近にいる子供に愛のある優しい言葉をかけてあげて欲しい。そしてほめてあげてほしい。(本文より抜粋)
非行に走る子、引きこもる子、夜の町を徘徊する子、そんな子供達が増えているのはナゼなのでしょうか?基本は家庭なのに、親から虐待されている子や、親の愛を与えられずに大きくなってしまった子がどうしてこんなに増えてしまったのでしょう?
一見ちゃんとした家庭のように見えていても、実は親とほとんど会話をしていなかったり、家族に本音をぶつけられずにいる子供が多いのはどうして?本を読み進むにつれ、なんだか切なくなってきます。どうして親であることを放棄してしまう人がこんなに多いのでしょうか!
夜回り先生は、そんな子供達のことが心配で、夜の町を歩き回っています。一人でもいいから、本来いるべき場所へ戻れるように力を尽くしているんです。悪い人から脅されたり、暴力をふるわれたりしても、先生は毎日夜の町へ出かけるのです。
子供にとって家庭は心休まるところでなければならないはずなのに、そこが修羅場だったら、それは余りにも辛すぎます。お金を稼ぐためには子供をほっぽらかしておいてもいいって考えは、大人の勝手です。子供が欲しいのは親からの愛です。愛がないから、家の外に愛を求めて出て行ってしまったり、逆に自分だけの世界へ引きこもったりしてしまうんです。子供からのSOSサインに気付いてあげてください。子供は助けを求めているんです。
大人だって同じはず。帰りたいと思える家じゃないから、まっすぐ帰れないんですよね。どうして帰りたくないの?あなたの居場所がないから?どうしてそうなっちゃったの?
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