『グラスホッパー』 伊坂幸太郎
殺し屋にもいろんなタイプがあって、ナイフを使う人、心理的に追いつめて自殺を強要する人、ただ背中を押すだけの人。それぞれ手段は違うけど、自分の技術に自信を持っていて、自分は職人だという意識で仕事をしていくところがスゴイ!そして自分は一匹オオカミだということに自信を持ち、「こういう業界」という言葉には違和感を感じている。そんな彼らの心の葛藤が面白いんだなぁ。
別々に生きていた3人の男達がもつれた糸に引きずられるように、1つの場所にたぐりよせられていくところは、予想通りなんだけど、やっぱり裏切られるって感じかな?
伊坂さんの作品に出てくる人ってみんな、どこかヘンで、子供っぽくて、自信がありそうで実はそうでもないって思いませんか?そんな人達が今回も活躍してくれます。
このストーリーの中に、「オーデュボンの祈り」の引用が出てくるので、これからこの本を読もうと思っている人は、「オーデュポンの祈り」を先に読んでおいてくださいね。
そして、ストーリーとは関係ないんだけど、「ブライアン・ジョーンズがローリング・ストーンズにいた証拠なんてない」というフレーズがなんだか気に掛かるんだなぁ。現在のストーンズしか知らない人にとって、ブライアンの存在はどんな意味があるんだろうってね。だけど、ブライアンがいたからこそストーンズがあるわけで、でもその証はどこにあるんだろう?って考えれば考えるほど難しいなぁ。
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著者: 伊坂 幸太郎
タイトル: グラスホッパー
読みました。
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これは一般的にミステリと呼ばれる種の小説よりもミステリです。このミステリの解決すべき問題は「この物語 [続きを読む]
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グラスホッパーposted with 簡単リンクくん at 2005. 6. 2伊坂 幸太郎角川書店 (2004.7)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る
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それもここ半年以内に一気に読 [続きを読む]
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グラスホッパー
『どんな動物でも密集していけば、種類が変わっていく。黒くなり、慌ただしくなり、凶暴になる。気づけば飛びバッタ、だ』
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〜主に活躍する人物〜
・元中学教師で、現在は非合法会社の頼りない社員の鈴木
・とにかく名の通りにデカ男で、寡黙な自殺屋の鯨
・一家惨殺を得意とするナイフの名手、殺し屋の蝉
平和に平凡に暮らす人々とはかけ離れたような闇の社会で、亡き妻の復讐に燃えよ....... [続きを読む]
ユミさん☆TBありがとうございます。
伊坂さんの作品って、心理戦があったり、妙な言葉遊びがあったり、いろんなファクターがあるんですよね。
誰か一人に思い入れができたら、かなり楽しめると思いますよ。
投稿: Roko | 2005年3月25日 (金) 14:33
伊坂さんは、色々な作品がリンクしているのも楽しみですが、そうなると読む順番もありますよね・・。
「オーデュボンの祈り」はまだなのです。失敗したー!読む頃には「グラスホッパー」の引用は、記憶が薄れてるんだろうな(涙)。
そうそう、私は洋楽に疎いのですが、ロック好きのRokoさんには、また別のお楽しみもあったのですね。フォークですが、伊坂さんの作品を読むとデュランも聞いてみたくなります。
投稿: june | 2005年4月30日 (土) 20:46
juneさん☆コメントありがとうございます。
伊坂さんって不思議な表現をするのが好きですよね。
そんなもの、この話に関係あるの?って思って読み進んでいくと、とんでもない伏線だったり、ぜんぜん関係なかったり。(笑)
投稿: Roko | 2005年4月30日 (土) 21:40
こちらからもTBさせていただきます。
確かに伊坂作品には、稀有な人々が多いですね。
そこをきっちり書き上げているので、稀有なのに感情移入してしまうという妙な気分になったります。これが伊坂作品の魅力だったりしますね。これからもよろしくお願いいたします。
投稿: 流石奇屋ヒット | 2005年5月 9日 (月) 20:54
流石奇屋ヒットさん☆コメント&TBありがとうございます。
伊坂作品の登場人物って、こんな奴いるか?な人が多いけど、みんな魅力的ですよね。
どうぞ、よろしくお願いします。m(__)m
投稿: Roko | 2005年5月 9日 (月) 21:23
個性的で、どこか普通とズレた登場人物たちが、おもしろいです。伊坂作品は、グラスホッパーと、重力ピエロしか読んだことがないので、他のも読んでみたいです。
投稿: BION | 2005年7月28日 (木) 10:47
BIONさん☆そうなんですよ。
いつもヘンな人が出てくるんだけど、そのヘンさかげんが大好きなんです!
投稿: Roko | 2005年7月28日 (木) 21:43
>ブライアン・ジョーンズがローリング・ストーンズにいた証拠なんてない
他にもシド・バレットがピンク・フロイドにとか、ロイ・ウッドがELOにとか、ブライアン・イーノがロキシー・ミュージックにとか、ヴィンス・クラークがティペッシュ・モードにとか、いろいろ考えられますが、やっぱり「ブライアン・ジョーンズが~」が一番しっくりしますね(笑)
投稿: kingdow | 2005年8月25日 (木) 23:56
kingdowさん☆やっぱりブライアン・ジョーンズですよね。
でも、シド・バレットもいい感じ。(^^)v
小説の本筋よりも、こういうところに反応しちゃうのって、何故なんでしょ?
伊坂さんにとっての仙台は、キングの描くキャッスル・ロックに通じるところがあるのではっていうkingdowさんのご意見に、わたしも一票です。
ニュー・イングランドの風景と仙台の風景は、何となく共通したものを感じるんです。
投稿: Roko | 2005年8月26日 (金) 08:20
こんちは!Rokoさん
トラバ&コメントをありがとうございます。
コメントをいただいた方のブログから2記事にトラバ送信して、またまた誤送信の表示が出まして、いつものメインの「雑板屋」からもトラバを送信しましたが、こちらから見て反映していないのですが、送信完了してますか?
毎度毎度ほんっと、すみません。。。
またこちらからも再度お邪魔させてもらいます☆
投稿: ゆきち | 2006年6月10日 (土) 16:12
ゆきちさん☆こっちの受信状態がおかしくてゴメンなさい。
オマケに、こちらからトラバが沢山届いちゃって、これまたゴメンなさい。m(__)m
コレに懲りずに、またトラバ&コメントを下さいね。
投稿: Roko | 2006年6月10日 (土) 23:10
Rokoさーーーーん!!
今、トラバに成功しました~♪
きゃあああ~♪
嬉しいですう
いやぁ~はは(笑
そんなわけで、夜な夜な報告に参りました!
投稿: ゆきち | 2006年6月14日 (水) 03:39
ゆきちさん☆トラバ頂きましたぁ!!ヽ(^0^)ノ
3:39って、もしかしてサッカー見てた?
こんなに頑張ってもらっちゃって、嬉しいですぅ!
これからも、よろしくお願いします。m(__)m
投稿: Roko | 2006年6月14日 (水) 08:38