『クライマーズ・ハイ 』 横山秀夫
昭和60年8月12日、日本中の人達が、何が起きたのか分からずにいた。あの日、ニュースで日航ジャンボ機123便が行方不明になったと聞いたとき、何だか嫌な感じがしたことを覚えています。航空機が絡む事件はいつも、ハイジャックにせよ、墜落事件にせよ、それまでに経験したことがないような展開をしていたからだったのかもしれません。
ああ、あの記事はこういう風に取材されたのか。あの日までは無名だった御巣鷹山へ入っていくには、山を切り開いて道を作ることから始まったのか。などと、この本はフィクションなのに、ドキュメンタリーを読んでいるような気持ちになってしまいました。
携帯のなかったあの頃、新聞記者の人達が山の上で取材活動をし、編集部へ連絡を取るのがどんなに大変だったのか、想像を絶する苦労があったのがよく分かりました。
結果が分かっている話なのに、どんどん先を読みたくなる、不思議な魅力のある作品ですね。
わたしの友人の妹さんが、当時旅行代理店の窓口業務をしていました。事故の数日前にキャンセル待ちのお客様に、「チケットが手に入って良かったですね」と笑顔で送り出したのに、そのチケットが123便だったのだそうです。
その後数日はショックで食事もできなかったほど、落ち込んでしまったそうです。
運命って不思議なものですよね。
あのチケットをキャンセルした人はどんな気持ちでいるのでしょうか?
トラックバック先
AOCHAN-Blog
りょーちの駄文と書評
今日とはちがう明日のために
アン・バランス・ダイアリー
しんちゃんの買い物帳
« 『High and dry (はつ恋)』 よしもとばなな | トップページ | メセニさんがメルマガ始めました »
「日本の作家 やらわ行」カテゴリの記事
- 『そういうゲーム』 ヨシタケシンスケ 25-56-3452(2025.03.01)
- 『アンパンマンの遺書』 やなせたかし 25-53-3449(2025.02.26)
- 『サーキュラーエコノミー実践』 安居昭博 25-39-3435(2025.02.12)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 『クライマーズ・ハイ 』 横山秀夫:
» 「クライマーズ・ハイ」横山秀夫 [AOCHAN-Blog]
タイトル:クライマーズ・ハイ
著者 :横山秀夫
出版社 :文藝春秋
読書期間:2004/11/22 - 2004/11/25
お勧め度:★★★★★
[ Amazon | bk1 ]+++++
北関東新聞の古参記者、悠木和雄は、同僚の元クライマー、安西に誘われ、谷川岳に屹立する衝立岩に挑む予定 [続きを読む]
» 横山秀夫:「クライマーズ・ハイ」 [りょーちの駄文と書評とアフィリエイト]
クライマーズ・ハイ横山秀夫著出版社 文芸春秋発売日 2003.08価格 ¥ 1,650(¥ 1,571)ISBN 4163220909bk1で詳しく見る りょーち的おすすめ度: 泣かせどころを分かっている作家だな。横山秀夫。 クライマーズ・ハイを読んでそう思った。すごいイイ作品なんだ. [続きを読む]
» クライマーズ・ハイ 横山秀夫 [つんどくの日々]
広島出身のイラストレーター、松尾たいこさんの特番がこちらの方で、30日ある模様です。
その番宣で見かけたのがこの「クライマーズ・ハイ」のカバー。この方のデザインだったのですね。独特の色使いと鮮やかさにすっかり魅かれてしまいました。
この方、これ以外にも様々な本や雑誌のカバーを担当されています。
たちまちファンになってしまいました。
そんなわけで単行本、文庫版のカバーを掲載すると共に、以前、他のブログに載せたものですが再掲します。
【2005年9月16日/文藝春秋/[:鉛筆2:]... [続きを読む]
» 『クライマーズ・ハイ』 横山秀夫 文春文庫 [アン・バランス・ダイアリー]
クライマーズ・ハイ (文春文庫)
今さらですが・・・読みました。映画化されたところなので、また話題になっています。
横山さんは「半落ち」しか読んだことがなくて、それが個人的に微妙だったので、そのあと、遠のいていたのですが・・最近癒し系の小説が続いていて、久...... [続きを読む]
Rokoさんこんにちは。りょーちと申します。Blogへのコメントありがとうございました。
>結果が分かっている話なのに、どんどん先を読みたくなる、不思議な魅力のある作品です。
そーですよねー。
完全なドキュメンタリーではないのですが、日航機墜落事故を機軸に進められるストーリーには当時はこんなことやってたなーと思い出しながら読ませていただきました。
また時間を置いて読みたい一作でした。
ではでは。
投稿: りょーち | 2004年12月28日 (火) 10:50
こんばんは。
お久しぶりです。
移転されていたのですね!今はなかなか本を読むことができませんので、みなさんの書評を読むのが楽しみです。
またお邪魔させていただきますね。地道にブログは更新しておりますので、関連記事はTBなどいただけたら、本選びの参考にさせていただきますので。ではでは、また。
投稿: よし | 2006年7月27日 (木) 17:31
よしさん☆コメント&トラバありがとうございます
同じ本を読んでも、感想ってみんな違うんですよね。
普段自分が手に取らないような本でも、誰かの書評を頼りに読んでみたり。
ネットのおかげで読書の幅が広がるって、本当に楽しいことです。
投稿: Roko | 2006年7月27日 (木) 20:50
Rokoさん
TBいただいてて、お返事が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
新聞記者だった横山さんだからこそ書ける、リアリティでしたね。
当時のことを思い出しながら読みました。
投稿: EKKO | 2008年12月 7日 (日) 00:07
EKKOさん☆こんばんは
あの事故は本当に衝撃的でした!
最初はどこに墜落したのかさえ分からなかった飛行機の、行方を取材する人たちの苦労がしのばれました。
投稿: Roko | 2008年12月 7日 (日) 00:53