映画 「A.I」.
この映画で何といっても印象的なのは、主人公デヴィッドを演じているハーレイ・ジョエル・オズメント君の瞳なのです。最初はロボットだと思っていても、あの瞳で見つめられたらお母さんは拒否できないですよね。絶対に自分の子供にしたい!って思っちゃいますよ。
一生懸命ママのために尽くそうとしてるのに、ロボットだからというだけで彼は追い出されてしまう。鉄腕アトムもそうだったようにね。(アトムの場合はお父さんだけど)一度イニシャライズしたら、もう後戻りはできないんだよって言われたのに、そうすることができない人間。
元々はキューブリックが企画して、自分で撮ろうとしていたものを、スピルバーグが監督した作品だから、もっとSF色が濃いのかと公開時には思っていたのですが、そうじゃないところが、やっぱりさすがなのかなと思います。
この映画を最初に見たときには、最後のシーンではボロボロ泣いたなぁなんて思い出しながら見たのだけど、やっぱり泣いちゃいました。死なないということは実はとてもつらいことなんだって、キューブリックは言いたかったのかな?なんて考えちゃいました。
愛とか、命とか、そういう根元的なものを考えさせてくれる素晴らしい映画だと思います。まだ見てない人は、ハンカチを用意して見てください。
2001年 アメリカ(ワーナー・ブラザース)
原題:A.I. Artificial Intelligence
監督・製作・脚本:スティーヴン・スピルバーグ
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シンプルに「悲しいな」と思った映画でした。
同じロボットモノで「アンドリューNDR114」も、見た後、人間や命について、考えさせられました。
投稿: メセニ | 2005年1月13日 (木) 15:23
ロボット憲章に、「ロボットは人間を傷つけてはいけない」という項目が
あったけど、逆はないんですよね。
瀬名秀明さんの「あしたのロボット」を読んだときも感じたのだけれど、ロボットの人権(ロボット権?)って誰も気にしてないんですよね。
初恋の人がアトムのわたしにとって、これはとても悲しいことなのです。
投稿: Roko | 2005年1月13日 (木) 23:47