『潤一』 井上荒野
出会った場所も、女性の年齢もバラバラだけど、青いフリースを来た潤一に出会うと、なぜか彼女達は心惹かれてしまう。彼に出会った様々な女性の言葉で語られる潤一は、いい加減で、衝動的で、優しそうで、危うくて、魅力的な青年なんです。
大抵の男の人って権力とか、地位とか、力とか、お金とか、そういうもので自分を魅力的に見せようとしてしまうのだけど、それってとんでもない勘違いなのよね。そういうのが好きな人は確かにいるけど、それだけじゃないんだって!
潤一って一応大人だけど少年ぽくって、どこにも属していなくて、素直な性格で、自由に生きている。そんな男に女はどうしようもなく惹かれてしまうんですよ。安定感はないけど、逆に気楽さがあるその姿に「あっ、いいなぁこの人」って思っちゃうんだなぁ。
« 『斎藤一人のツキを呼ぶ言葉』 清水克衛 | トップページ | 映画 「ネバーランド」 »
「日本の作家 あ行」カテゴリの記事
- 『陰翳礼讃』 谷崎潤一郎 大川裕弘(2021.03.28)
- 『御社のチャラ男』 絲山秋子(2021.02.23)
- 『妙な話』 芥川龍之介(2021.02.13)
- 『コルビュジエさんのつくりたかった美術館』 五十川藍子 金子ともこ(2021.02.09)
- 『食っちゃ寝て書いて』小野寺史宜(2021.02.08)
コメント