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『幸福な食卓』 瀬尾まいこ

幸福な食卓 (講談社文庫)
瀬尾 まいこ
講談社

 食卓に家族が集まってご飯を食べるって、わたしはごく当たり前のことだと思ってたんですけど、最近はそうじゃないんですってね?家族の生活時間がバラバラだから、食事をする時間もバラバラで、「家族全員が揃ってご飯を食べる」っていうこと自体が珍しいことなってしまった家が多いんですって。

 一緒にご飯を食べるってことは、食事をするという意味だけでなく、コミュニケーションの場なんだと思うんだけど、そういう意義を知らない人が増えてるんですね。子供の頃にそういうクセがついてしまって、ご飯を人前で食べられない人がいるらしいけど、なんだか悲しいですね。

 この本に出てくるのは、解散しそうで解散しない、ギリギリのところでバランスを保っている家族です。それぞれ勝手なことをしようとしても、勝手になりきれなくて、結局食卓へ戻ってきてしまうところが妙におかしいのです。

 問題がなさそうに見える人にも悩みがあるし、とんでもない派手女と思っていたら、けっこう心が細やかな人だったり、他人には分からないようなものを心に秘めて、人は生きているんです。どんなに辛いことがあっても、悲しいことがあっても、ずっと泣いてばかりはいられないのです。食卓でご飯を食べられるという幸せが、そんな心を癒してくれるんですよ。

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日本の作家 さ行」カテゴリの記事

コメント

家族で食卓を囲む事が実は幸せな事だと言うのは、大人になってから漸く気付いたわしです。
結構幸せに育ったんだなぁ~。
しかし、幸せだろうけど、やっぱ、鬱陶しいかも。
幸せなんだろうなぁ~。

家族で囲む食卓には、ちゃぶ台かコタツがいいなぁ。
お茶漬けだってさ、一人でモクモク食べるよりも、誰かと馬鹿話しながら食べた方がウマイに決まってるよね!
そんな小さな幸せっていいなぁ!

瀬尾まいこ応援BLOG!さん☆
活字中毒日記!さん☆
☆21st Century Comedyさん☆
猫は読書の邪魔をするさん☆
本読み日記さん☆
瀬尾さんのファンが確実に増えてますね。
もっともっと増えるように、盛り上げて行きましょうね。(^^)v

MICHI☆みすず さん☆TBありがとうございます。
瀬尾さんが描く世界って「普通の人の中にあるどこかずれた部分」であるような気がするんです。
それって誰の中にもあるものなのに、できるだけ見ないようにしているものなんでしょうね。

佐和子のお母さんが、家族の食事について、「栄養のバランスと確かなおいしさの保証が必要」というのに、深くうなずいてしまった。確かに家族の食事で冒険はしにくいもの・・。
でも家族の食卓って鬱陶しいけど、やっぱりあたたかいと実感。

juneさん☆コメント&TBありがとうございます。
おうちのごはんって一番なごむし、大事な物ですね。
こんなの当たり前だって思っている家庭の食卓って、平凡そうでいて、実はとても個性的なんですよね。

こんにちは。
こちらの記事にTBさせていただきました。

この読書は、ほんとうにいい時間を過ごしたという感じでした。
淡々と語られているからでしょうか、
妙に心にストンと落ち着きました。
ラストでは大いに心揺さぶられましたが、
読んだ後は、とても温かい気分になりました。

家族とは離れて暮らしているので、
たまに帰省すると、食事の時間がほんとうに楽しみな自分に気がつきます。
それほど『食』とは大切なのですね。実感。

Rutileさん☆トラバ&コメントありがとうございます。
家族と過ごす時間の中で、食事の占める割合は大きいですよね。
家族との食事が楽しみだという幸せを知らない人が増えるのは悲しいです。

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