『家守綺譚』 梨木香歩
学生時代の友人「高堂」の父親から、家のお守りをして欲しいと頼まれて住むようになった一軒家は、古いけれどもなかなか趣のある家のようです。庭には様々な植物が茂り、鳥など様々なものがやってきます。
庭のサルスベリの木に惚れられてしまったり、川で出会ったカワウソに同族だと思われてしまったり、主人公は今まで知らなかった世界へどんどん引きずり込まれていくのです。
この本から漂うのは、昔の日本の家ってこういう感じだったんだろうな?という感じと、家のすぐそばには自然があって、その自然と仲良くいきていくのって楽しいなという感じなのです。日本には四季があって、そのうつろいに合わせて生きていく楽しさを、もっともっと残しておかなければと思ってしまうのです。
普通の世界のすぐ隣に別の世界があるって、想像しただけでも楽しくなってしまいます。ほら、そこの木の枝にとまっているスズメだって、花の蜜をねらっているメジロだって、そこにいるのは、あなたのことを観察するためかもしれない?なんてね。
P.S. ほのぼの文庫さんの 植物アルバム がとってもステキなんです。この本に登場する植物すべてを見ることができますよ。
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家守綺譚
梨木 香歩
ジャパネスク・ホラーというのかしらん?どことなく懐かしさを感じさせる幻想譚。
亡き友人の家へ「家守」として住みつくこととなった新米作家・綿貫。
四季折々に咲く花々を風景として織り込み、と同時に、
綿貫の元を訪れる優しいあやかしとの [続きを読む]
» 梨木 香歩『家守綺譚』 [気まぐれな読書]
家守綺譚
梨木 香歩
これは、つい百年前の物語。庭・池・電燈つき二階屋と、文明の進歩とやらに棹さしかねてる「私」と、狐狸竹の花仔竜小鬼桜鬼人魚等等、四季折々の天地自然の「気」たちとの、のびやかな交歓の記録。
とても良かった。面白かった。
とても気持ちのい [続きを読む]
» 家守綺譚 / 梨木香歩 [活字中毒]
この話は100年ほど前のお話。主人子の綿貫はあまり売れていない物書きです。湖でボートに乗っているときに行方不明になってしまった友人「高堂」の父親に頼まれて、空き家になった高堂家に住むことになります。その旧高堂家には様々な木々・花々が植えられており、池もあ [続きを読む]
» 「家守綺譚」について [たりぃの好きなもの]
今回は 「家守綺譚」 梨木 香歩著 です。ちなみにこの本は2005年度本屋大賞第3位になっていますね。 [続きを読む]
» 梨木香歩著『家守綺譚』の植物アルバム [ほのぼの文庫]
梨木香歩さんの作品を繰り返し読んでいます。梨木さんの作品の魅力は・・・?と少し [続きを読む]
» 「家守奇譚」梨木香歩 [図書館で本を借りよう!〜小説・物語〜]
「家守奇譚」梨木香歩(2004)☆☆☆☆★
※[913]、国内、小説、文学、幽玄、幻想、近代、ファンタジー
あぁ、巧い。確かにこんな日本はあったよな。そう思わせる世界がここにある。和歌山の海難事故が触れられており、そこから「ほんの百年すこしまえ」となるわけだが、 [続きを読む]
» 「家守綺譚」梨木香歩 [本を読む女。改訂版]
家守綺譚発売元: 新潮社価格: ¥ 1,470発売日: 2004/01売上ランキング: 5,541おすすめ度 posted with Socialtunes at 2005/12/12
感想はまた書きますけど、今日図書館に返さないといけないんですよねー
あー返したくないなー
手元においておきたいな、とにかく。そんな [続きを読む]
» 『家守綺譚』 梨木 香歩・著 [図書館で読書]
家守綺譚
梨木 香歩
本の第一印象は、女性が好きそうな本だな〜と思った。
この抑えたカンジの装丁もなかなかお洒落で素敵じゃない?
家守という名前の人の話かな〜と思いきや、亡くなった友人の父から留守の間に家の管理をして欲しいということで、家の管理人(ま [続きを読む]
ロニママさん☆TBありがとうございます。
庭の花や、ときおり訪れる鳥や動物たちから季節を感じる、そんな生活ができたらいいなぁと思わせてくれる一冊ですよね。
投稿: Roko | 2005年3月29日 (火) 15:29
七生子さん☆TBありがとうございます。
河童とか、座敷わらしとか、昔は人間の暮らしのすぐ側に、怪しいものがたくさんいたんでしょうね。
いまはどうなんでしょう?
屋根裏や路地の片隅に怪しいお友達はまだ潜んでいてくれるのでしょうか?
投稿: Roko | 2005年4月 1日 (金) 23:23
エリさん☆TBありがとうございます。
昔の日本っていいなぁって思えてくる一冊ですよね。
投稿: Roko | 2005年4月17日 (日) 17:38
よっしーさん☆TBありがとうございます。
昔の日本の家って、こういう感じだったんだろうなぁって感じが伝わってきて、とても不思議で楽しい作品でした。
姉妹編の「村田エフェンディ滞土録」も面白かったですよ。
投稿: Roko | 2005年4月17日 (日) 17:46
TBありがとうございました!TBいただいたのはexciteのブログだったのですが移転したので移転先からTBさせていただきました。「村田エフェンディ滞土録」も読んだのですね。家守とリンクしていて2冊で楽しめますよね^^
四季のうつろいと共に時を過ごす感覚は、本当に廃れてはいけないものだと思います。
投稿: エリ | 2005年4月18日 (月) 00:07
エリさん☆コメント&TBありがとうございます。
「村田エフェンディ」と「家守」って1つの世界の中にある物語だなって思えるんです。
「四季のうつろい」って、いいことばですね。
四季があるからこそ日本なんだよねってことを改めて感じさせてくれる作品だと思います。
投稿: Roko | 2005年4月18日 (月) 07:33
読み終わったあとに「ほぅ」とため息をついてしまうような
うっとりとした雰囲気の中に包まれますよね。
日本の四季って美しいなぁ。
昔の暮らしって美しいなぁって。
村田エフェンディ、さっそく探してみます!!
*TBサーバがおかしくて、TBできませんでした。(T_T)
後日改めてTBさせてもらいますね。
投稿: みわ | 2005年5月15日 (日) 20:53
みわさん☆コメントありがとうございます。
四季があるって素敵なことです。
厚さも、寒さも、いろんな楽しみ方があるって幸せなことですよね。
投稿: Roko | 2005年5月15日 (日) 21:12
みわさん☆TBありがとうございます。
TBついに届きました。
こういう日本的なものって、大事にしないといけないなって思います。
投稿: Roko | 2005年5月19日 (木) 00:10
Rokoさんコメント&TBありがとうございます。
お返しTBさせてもらいました。
庭の花や、ときおり訪れる鳥達などほんとにいいですね。
僕の所は最近来るのはカラス達で洗濯物を干すハンガー根こそぎ持っていかれました。(許すまじカラスども!)
それではまた。
投稿: たりぃ | 2005年5月23日 (月) 23:53
たりぃさん☆コメント&TBありがとうございます。
先週のトリビアで、嫌われる鳥No.はカラスだって言ってましたね。
うちの近くにはカラスはほとんど来ませんが、モズが葉ボタンを食べていっちゃいました。
ツバメが今年もGWの直前にやって来ました。
地下鉄の駅の入口に巣があるので、毎朝それを見るのが楽しみです。
投稿: Roko | 2005年5月24日 (火) 00:07
Rokoさん、初めまして。トラックバックとコメントをいただき、ありがとうございました。
梨木香歩さんの作品は、「普通の世界のすぐ隣にある別の世界」という感じが魅力だと思います。
これからもどうぞよろしくお願い致します。
投稿: まざあぐうす | 2005年5月28日 (土) 16:38
まざあぐうすさん☆コメント&TBありがとうございます。
まざあぐうすさんのお作りになった写真集を眺めながら、この本のことをまた考えてしまいました。
人間も自然の中の一部であり、植物や虫や動物や、それ以外の不思議なもの達と昔は仲良く暮らしていたんですよね。
そういうことを忘れてしまっていると、いけないのだなぁと思うのです。
投稿: Roko | 2005年5月28日 (土) 16:45
Rokoさん、植物の写真集を紹介してくださってありがとう!
植物に疎いので、うれしかったです。
そうそうこちらも紹介していただいた「村田エフェンディ・・」ですが、今積んであります。読むのが楽しみですー。
投稿: june | 2005年5月28日 (土) 23:13
juneさん☆コメントありがとうございます。
さるすべりってこういう木なのねとか、写真を見るとよく分かりますよね。
一冊の本から、こういうものもできちゃうのかと感心してしまうのです。
投稿: Roko | 2005年5月29日 (日) 00:23
TBありがとう&TBさせてもらいました。
本屋大賞を逃したのは残念ですが、ノミネートされたことによってこの本を読む人が増えたことは嬉しいと思っています。梨木香歩はもっと多くの人に読まれるべき作家だと思います。
投稿: kingdow | 2005年5月29日 (日) 08:34
kingdowさん☆コメント&TBありがとうございます。
梨木さんって、こんなによい作品を書いているのに、知名度がもう一つですよね。
もっともっと大勢に読んでもらいたいなぁって思います。
投稿: Roko | 2005年5月29日 (日) 09:24
紹介していただいた”ほのぼの文庫”さんへ行ってきました。植物アルバム非常に綺麗で今度読み返す時は”ほのぼの文庫”さんを見ながら読んでみようかなと思いました。
それではまたヨロシクです。
投稿: たりぃ | 2005年5月29日 (日) 20:20
たりぃさん☆コメントありがとうございます。
ほのぼの文庫さんのアルバムを気に入っていただいて、ご紹介した甲斐があります。
こういう展開ってのもブログっぽくていいですよね。
投稿: Roko | 2005年5月30日 (月) 23:05
はじめまして。
コメントとトラックバックありがとうございます。
お返事遅くなってすみません。
こちらのプログはすごいですね。
とってもパワーを感じます。
私はトラックバックのやり方さえわかりません。
これからよろしくお願いします。
投稿: taoyakanahi | 2005年6月24日 (金) 12:41
Rokoさんへ、TBありがとうございます。
いやぁ、Rokoのブログのこの本のレスポンスは、
TBもコメントも量が凄いですね、、、
この本は、本当になにか、力をもってますね、、、、
それでは、これからも、宜しくおねがいします。
投稿: indi-book | 2005年6月24日 (金) 20:08
taoyakanahiさん☆コメントありがとうございます。
みんな最初は初心者です。
そのうちに、きっとトラバもできますよ。
こちらこそ、よろしくお願いします。
投稿: Roko | 2005年6月24日 (金) 22:21
indibookさん☆コメント&TBありがとうございます。
この本をもっともっと大勢の人に読んで欲しいなぁと思ってます。
これからも、よろしくね!
投稿: Roko | 2005年6月24日 (金) 22:23
snowkids1965さん☆トラバありがとうございます。
「薄明かりと、薄暗い陰の境界がはっきりしない、曖昧な世界」ってものに、何とも言えない憧れや郷愁を感じるのは何故でしょうか?
ほのぼの文庫さんの植物アルバムのことを書こうかと思っていたら、もうご本人からコメントが届いていました。
とても素敵なアルバムですよ。ぜひご覧下さいね。
投稿: Roko | 2005年9月25日 (日) 23:22
Rokoさん、こんばんは~
オリンピックでフュギュアを存分に楽しんでいる最近です(笑)
Rokoさんはいかがですか?
このレビュー、一年以上前なんですねぇ~
発刊されてから二年くらいたっているのに、人気がありますよね。
不思議な雰囲気の本で、ちょっといい読書体験でした。
投稿: りーふい | 2006年2月25日 (土) 21:41
りーふいさん☆コメント&トラバありがとうございます。
この物語の時代ってそんなに昔じゃないのに、もうこういう世界は無くなっちゃってると思うと、ちょっと悲しい気もします。
こういう暮らしに憧れてしまうのです。
投稿: Roko | 2006年2月25日 (土) 22:46
「四季のうつろいに合わせて生きていく楽しさを、もっともっと残しておかなければ」と、わたしもそう思います。
読者にそういうことを感じとってほしい、という、梨木さんの強い想いが感じられる作品ですね。
投稿: ディック | 2006年10月18日 (水) 22:07
ディックさん☆こんばんは
「四季のうつろい」って素敵な言葉ですね。
四季を肌で感じる生活の素晴らしさを感じる作品でした。
投稿: Roko | 2006年10月18日 (水) 22:51