ブログ内検索


  • ダメでもいいからやれ。
    体験もしないでお前ら、
    すぐに「ダメだ」って言うのは、
    学校で聞いただけの話だろう。
    やってみもせんで何を言っとるか
    (by 本田宗一郎)

読書Love!

  • 本が好き!
  • NetGalleyJP
    プロフェッショナルな読者
    グッドレビュアー 100作品のレビュー 80%

« 『eメールの達人になる』 村上龍 | トップページ | SuperBowl2004のハーフタイムショーはポール・マッカートニー »

『夜回り先生』 水谷修

夜回り先生
夜回り先生
posted with amazlet at 05.02.06
水谷 修
サンクチュアリ出版

 私にとって、子供の過去なんてどうでもいい。今もどうでもいい。大事なのは、時間がかかってもいいから、誰かの助けを借りてもいいから自分自身の意志と力で、幸せな未来を作っていくこと。そのためには、とにかく生きていてくれさえすればいい。生きれば生きるほど、子供たちは誰かと出会いながら、どんどん学んでくれるはずだから。(本文より抜粋)

 いろんな理由があって、いろんな生い立ちがあって、いろんなことがあって、世の中とうまく折り合えない子供たちがたくさんいる。でも、それに気付いてあげられない、気付いていても何もしない(できないのではない、何かをしようとしていない)大人がたくさんいる。

 本当は一番の身方でなければいけないはずの親や兄弟にも見放されてしまっている子供たちがいる。親や友達にすら「助けて」と言えない(言わない)子供たちがいる。そんな子供たちを助けたいという気持ちだけで夜の町を歩く先生がここにいる。

 先生だからといって、何でもできるってわけじゃない。彼ができることは、子供たちの声を聞くこと。どんなことがあっても「それでいいんだよ」って言ってあげること。それだけでほとんどの子供たちは救われるのだという。たったそれだけのことだけど、とても大事なこと。それは相手の人格を尊重することなのだと思う。

 昔悪いことをしたとか、今不良をやってるとか、そういうことはどうでもいいのだと先生は言う。世間のほとんどの人は、昔や今のことばかりを大きな声で非難するけれど、それじゃその人間の未来はどうでもいいと言うのか?今日はいい人をやっている人だけに明るい未来があるって言いたいのか?未来は平等にやってくるはずじゃないか!!

 わたしには、先生のようなことはできそうにないけれど、彼の考え方には深く同調できる。せめて、わたしの周りにいる人たちに、先生の何分の一かもしれないけれど、優しく接していきたいと思う。

 何かというと「私にはムリ」とか「歳だから」なんて、困ったことばっかり言ってる人のことを、これまでわたしは出来るだけ避けてきていた。なぜって、そういう話を聞いているとこっちまで滅入ってしまうから。

 でも、これからはそういう人の話にも、「そうなんだ」って耳を傾けていこうと思う。だって、そういう人って寂しいんだよね。そうやって自分を否定することでしか表現できなくなっちゃってるんだもの。ただ聞いてあげることだけでも、その人の力になれるのかもしれないって思えてきたんだもの。

« 『eメールの達人になる』 村上龍 | トップページ | SuperBowl2004のハーフタイムショーはポール・マッカートニー »

伝記・日記・ノンフィクション」カテゴリの記事

コメント

こんにちは、Rokoさん。
先日、私も『夜回り先生』を読みました。
“人と同じ目線にたつこと”の重要性を改めて教えてもらった気がします。
今は大人になりきれていない大人が多くて(たぶん私もその一人)、社会的な責任だけでなく、家族の中の責任も負えなくなってきているのかな~なんて思いました。
偉そうなこと言えないけど(笑)
水谷先生のお体が心配です。

りーふいさん☆
コメント&TBありがとうございます。
安心して帰れる家庭とか、心を開くことのできる友達とか、あるものにとってはどうって事のない事が、無い人にとっては致命傷になってしまうってことを、この本で知りました。
自分の子供の事にすら気が回らない人達が多いのに、水谷先生は本当にみんなのことを愛してるんだなぁって思います。
お体のこと、わたしも心配しています。お元気になられることを祈っています。

見ず知らずの子供たちのためにここまで尽くせるというのは本当に教育が、子供が好きだからなんだろうなぁと読んでいて感じました。
すごいことですよね。
人は境遇を選べない。
でも、みんな幸せになりたい。
みんなで幸せになれる道を見つけたいですね。
TBありがとうございます。
こちらもTBさせていただきました。

「無償の愛」って究極の愛ですよね。
私利私欲に走る人が多い世の中に、こんな方がいるってことを、大勢の人に知って欲しいと思います。
そして、先生のような方がいなくても大丈夫な世界になることが、一番いいことなんですけどね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『夜回り先生』 水谷修:

» 『夜回り先生』  水谷 修・著 [図書館で読書]
夜回り先生 水谷 修 テレビに出演されていたり、本を出したりしているので、「夜回り先生」のこと一度は目にしたことありませんか? 私は水谷先生のことをテレビで知ってから、著書を読んでみたいとは思っていたのですがなんだかちょっと恐くて手を出せずにいました。 [続きを読む]

» 夜回り先生 / 水谷修 [活字中毒]
「昨日までのことは、みんないいんだよ」という一言に何人の子供が救われたことでしょう。夜回り先生と呼ばれている水谷修さんの話を少し前に知り、そんな人がいるんだぁと驚きました。私にとって先生のイメージって学校で勉強を教えてくれる人であり、あまり私の人生に関わ [続きを読む]

« 『eメールの達人になる』 村上龍 | トップページ | SuperBowl2004のハーフタイムショーはポール・マッカートニー »