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『アフターダーク』 村上春樹

アフターダーク
アフターダーク
posted with amazlet on 05.02.14
村上 春樹
講談社

 いつもは見慣れた町が、深夜になると別の顔を見せる。昼間なら何も考えずに歩ける道が、急に怪しい空気に包まれる。よく知っているはずの町が、知らない町になってしまう。気付かずに歩いていると、得体の知れないものが襲いかかってくる。

 マリは深夜のデニーズで本を読んでいます。ただ単に、家から離れていたかっただけなのに、いざ家を出て見ると行く所がないことに気付いていまったのです。そんな彼女の前に一人の青年が現れ、それをきっかけに様々な人と出会っていくのです。

 みんないろんな過去を持っていて、いろんな現在を過ごしているんですよね。誰かと同じ経験をすることはできるけど、それをどう感じるか、どう自分の中に取り込んでいくのかは、ひとりひとり違っているから、いろんな人生が出来上がっていくんですよね。

 夜の世界には、いろんなワケアリの人たちが生きています。いろんな事情があってやって来るわけだけど、夜の世界はそんな人たちをそっとしておいてくれる、もう一つの世界なのでしょうね。

 通常の世間からはみ出してしまうと、普通の人たちは焦りやあきらめの気持ちを持ってしまうんだけど、春樹さんの世界の人たちは、悩みながらも最後には自分を肯定して生きるようになっていきますよね。春樹さんの小説を読むと、「わたしはわたしであって、他の誰でもない」ということをいつも感じてしまうのです。

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日本の作家 ま行」カテゴリの記事

コメント

TBありがとうございます。
自分の人生を考えさせる一冊に仕上がっていますね。

知恵蔵さん☆
コメントありがとうございます。
村上春樹さんの作品って、いろんなことのことを考えさせてくれますよね。
ほんとに奥が深いなぁといつも思ってしまいます。

トラックバックありがとうございました。
村上さんの作品はあまり読んだことはないのですが、なんか視点がちがいますよね。
特にこのアフターダークは。
ベタでなくて、立体感があるというか3Dの本を読んでいるような不思議な空間に迷い込んだようでした!

コメントありがとうございます。
3Dというのはウマイ表現ですね。
ストーリーがあちらこちらからドンドン絡んできて、不思議な世界を作り出してくるんですよね。

TBありがとうございました。
「ロング・グッドバイ」の記事とともにTBさせていただきます。
自作小説も翻訳も目が離せませんね。

biblophageさん☆こちらこそ、トラバありがとうございます。
「ロング・グッドバイ」はとっても楽しみです!
おっと、その前に「グレート・ギャッツビー」を読まなくっちゃね。(#^.^#)

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