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『なんくるない』 よしもとばなな

なんくるない
なんくるない
posted with amazlet at 05.03.16
よしもと ばなな
新潮社

 ピンキーちゃんは離婚したのは当然だって思いながらも、でもそのショックから立ち直れずにいたんですね。自分の精神状態がどういう状態なのかって、後になってみれば「あの時はひどかったねぇ」なんてことも、ヒドイ状態の真っただ中にいると、自分がマイッテるってことにすら気が付かなかったりするんですね。

 無意識に過ごしてしまっている日常って、実はとても過酷なのかもしれないんだけど、毎日毎日その中にいると、それが普通だって思いこんでしまうんでしょうね。毎日同じ道を歩いて、毎日同じ電車に乗って、毎日同じような仕事をして、どんどん感覚がマヒしていくんじゃないかな?

 転地療法なんていう治療法もあるくらいで、日常から離れて遠くへ旅へ出るってことは、普段の自分をリセットできるチャンスなんですよね。見たことのない風景、聞いたことがない言葉、自分一人だけになる時間、そういうものが自分を癒してくれるんだろうなぁ。

 ピンキーちゃんみたいに、エイって旅に出られればいいんだけど、なかなかそうもいかないよって思っちゃうこと自体が、悲しい「思い込み」なんじゃないかな?「思い込み」を捨てられれば、たとえ1日でも、たとえ1時間でも心を転地させることってできるんじゃないかな?

 この本を読んでいるうちに、沖縄に行きたいなぁって気持ちが湧いてきたんです。すぐには行けないけど、気分だけでも沖縄ってことで、今夜のおかずはチャンプルーにしてみました。

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日本の作家 やらわ行」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。TBありがとうございました。
よしもとばななさんはなんとなく遠のいてしまって…。
未だ短編しか読んでません。
なんくるないは沖縄が舞台ですよね。
沖縄も大好きなのでぜひ読んでみたいと思います。リストに登録させていただきます。
今後も<(_ _)>。

よしさん☆コメントありがとうございます。

ばななさんの小説って、どうしてあんなにスーっと話の中に入っていけるんでしょうか?

わたしは沖縄へ行ったことがないのに、まるでそこにいるような気持ちになってしまいました。

どうぞ、よろしくお願いします。

m(_ _)m

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