『コイノカオリ』 角田光代 島本理生 栗田有起 生田紗代 宮下奈都 井上荒野
水曜日の恋人(角田光代)、最後の教室(島本理生)、泣きっつらにハニー(栗田有起)、海のなかには夜(生田紗代)、日をつなぐ(宮下奈都)、犬と椎茸(井上荒野)という、6人の女性作家による恋をテーマにした短編集です。
角田さんと井上さん以外は読んだことのない顔ぶれだったので、どんな感じなんだろう?と思いながら読んだのですが、どの作品もいずれ劣らずっていう感想です。
そんな中で、一番気に入ったのが「泣きっつらにハニー」です。アルバイトで始めたマッサージの仕事に、そしてその店のママに心惹かれてしまう、主人公の素直な感じがとても心に残りました。過酷な人生に負けずに頑張ってきたママのように、主人公もたくましく生きていくんだろうなって、明るい気持ちになるストーリーでした。
「犬と椎茸」は、本当にありそうで恐いストーリーでした。妻が夫のことをどう思っているかという心理がするどく表現されているなぁって思います。何十年たっても忘れないことがある女って恐いよねってことなんだけど、男性はこういうのを読むとどう思うんだろう?「これはお話だもの」なんて思ってるのかなぁ?
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» コイノカオリ / 角田光代 他 [書庫 〜30代、女の本棚〜]
恋と香りがリンクすることは結構ある。
春先に沈丁花の花の香りを嗅ぐと中学校の頃に好きだった男の子を思い出す、など。
そんな恋の香りにまつわるエピソードを絡めたアンソロジー。
『日をつなぐ』は宮下奈都の作品。
主人公は赤ちゃんをひとり持つ女。
初恋の“修 [続きを読む]
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タイトルにもあるように、“香り”を恋愛感情に絡ませながら綴られたアンソロジー六編。
物語のちょっとしたエッセンスとして使われた“香り”や“匂い”であるのに、読み終えてみれば「恋の香り」としてどれもが強烈な印象を残し、とても読み応えの感じられた作品ばかり...... [続きを読む]
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トラキチさん☆
TBありがとうございます。
3月も面白そうな新刊がたくさん出ますねぇ。
読みたい本ばっかりで、困っちゃうなぁ!(^^ゞ
投稿: Roko | 2005年3月 7日 (月) 00:31
泣きっつらにハニーいいですね(^^)
若くてみずみずしい恋愛で、こんな風にドキドキしたり落ち込んだりしてたなぁって思い出してました。
最近はコイノカオリも書かれていた島本理生さんのナラタージュという作品に激しく心を動かされました!
投稿: sonatine | 2005年5月29日 (日) 17:56
sonatineさん☆コメント&TBありがとうございます。
ナラタージュの評判がいいですね。
わたしも気になっているので、近日中に読みたいなぁって思っています。
投稿: Roko | 2005年5月30日 (月) 23:02
おはようございます。
泣きっつらにハニーは、とても人気のある作品のようですね。
私は宮下さんの作品が頭から離れません。
それぞれのカオリが巧く表現されていた作品集でしたよね。
もっと読みたかったです。
投稿: ゆう | 2008年8月15日 (金) 11:02
ゆうさん☆こんばんは
こういう企画って楽しいですね。(#^.^#)
このテーマで第二弾があってもいいなぁって思いますよね!
投稿: Roko | 2008年8月15日 (金) 23:27