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『ダブルプレー』 ロバート・B・パーカー

ダブルプレー (ハヤカワ・ノヴェルズ)
ロバート・B. パーカー
早川書房

 今や日本の選手も数多く活躍しているメジャーリーグ・ベースボール(MLB)だが、1946年までは白人選手しか所属していなかった。選手規約には人種に関する記述など無かったが、実際には有色人種と契約する球団は一つもなかった。もちろん優れた黒人選手はアメリカには沢山いたけれど、彼らは彼らだけの団体であるニグロ・リーグでしか活躍することはできなかった。

 そのMLBのブルックリン・ドジャースは、1947年に勇気ある決断をした。優れた才能のある黒人選手「ジャッキー・ロビンソン」と契約をすることを決めたのだ。

 このストーリーはジャッキーを守るために雇われたボディ・ガードのことを描いている。これはフィクションなのだけれど、本当にこんな事があったのだろうなぁと思いながら読み進んでしまった。まだ公民権運動も、ブラック・パワーも、ルーサー・キングもいない時代。黒人が人間としての権利を認められていなかった時代だったのだから。

 この小説の主人公バークは、冷静でタフでしぶとい男だ。力ずくで事を解決していくかと思えば、義理人情にもあついところが、パーカーがこれまでに描いてきたスペンサーや、ジェッシイ・ストーンとどこかしら共通点を感じる。

 作者、ロバート・B・パーカーの、ジャッキー・ロビンソンに対する敬意、そしてベースボールに対する愛情がとても感じられる作品だと思う。そして、やっぱりパーカーは、ハードボイルドが大好きな作家なのだなぁと再確認してしまった。

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コメント

Rokoさん、こんにちは。
TBとコメントありがとうございました。
この本は、パーカーの番外編って感じでよかったですね、。
野球ってほんとアメリカ的でパーカーのスタイルに合致しています。

indi-bookさん☆こんばんは
スペンサー・シリーズの中にも野球の話が出てくるし、パーカーは野球がとても好きみたいです。
野球を通して男らしさを描くところが、とてもパーカー的でとても好きな作品です。

はじめまして

>力ずくで事を解決していくかと思えば、義理人情にもあつい

力ずくの銃撃戦だけでなく、話し合いの根回し作戦もやるのが良かったですぅ。バークが自分のトラブルからボディガードを辞退しようとしても、ジャッキーが「お前でないと駄目なんだ!」と辞退を許さず、バークの危険も自分で被ろうとしたのは、ボディガードと依頼人の枠を越えた素晴しい友情物語でしたね。

goldiusさん☆はじめまして
スペンサー・シリーズの中で、野球の話は何度も出てきましたが、やっぱり野球が好きなんだなぁって作品でした。
男同士の友情も、パーカーっぽくて大好きな作品です。
これからも、よろしくね!

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