ブログ内検索


  • ダメでもいいからやれ。
    体験もしないでお前ら、
    すぐに「ダメだ」って言うのは、
    学校で聞いただけの話だろう。
    やってみもせんで何を言っとるか
    (by 本田宗一郎)

読書Love!

  • 本が好き!
  • NetGalleyJP
    プロフェッショナルな読者
    グッドレビュアー 100作品のレビュー 80%

« 『あなたのアタマから嫌でもアイディアが飛び出してくる!』 トニー・ブザン | トップページ | 『いい女は、「ひとり」の時間につくられる』 中山庸子 »

『だいこん』 山本一力

だいこん (光文社文庫)
山本 一力
光文社

 つばきさんは三人姉妹の長女です。大工のおとっつぁんと、働き者のおっかさんを助けて、子供の頃から働き続けてきました。みんなの力を借りて、ついに一膳飯屋「だいこん」を開いたのです。

 つばきさんが始めたこの仕事は、単に飲食店を開いたということではなくて、当時の江戸にはなかったベンチャービジネスだったのです。おいしいごはんをより安く提供するために、いろんなアイデアを駆使するんです。

 仕入れの方法を考え、他の店にはないシステムを考え、毎日がんばります。そして何よりエライのは、自分一人で悩まずにいろんな人の知恵を借りるんです。つばきさんは若いから、ついつい突っ走ってしまうこともあります。そんな時にも人生の先輩からいろいろな知恵を授かります。

 一力さんの小説の基本にあるのは「家族」と「人情」ですよね。昔はこれが当たり前だったのに、どうしてこんな大事なことをみんな忘れてしまっているんでしょう?貧乏なときにも、洪水で避難したときにも、家族が一緒だからつばきさん達は元気に生きて来られてたんですよね。

 どんな仕事も熱意を持って、新しいアイデアをどんどん出すことが大事なんだなって、まるでビジネス書のようにこの本を読んでしまいました。人情とビジネスは両立するって、つばきさんに教えてもらいました。

« 『あなたのアタマから嫌でもアイディアが飛び出してくる!』 トニー・ブザン | トップページ | 『いい女は、「ひとり」の時間につくられる』 中山庸子 »

日本の作家 やらわ行」カテゴリの記事

コメント

Rokoさん、こんばんは♪
一力さん、いいよね。
学び取るべき点が多い作品だったと思います。
つばきの恋模様をもうちょっと読みたかったけど、続編にて実現してくれるかな?
でも一力さん連載多いからな(笑)

トラキチさん☆さっそくのコメントありがとうございます。
そうですよねぇ。仕事一筋でつばきさんの人生が終わっちゃったらつまんないですよ。
いい人を見つけて、自分の娘も立派に育て上げるつばきさんを見たいもんです。

はじめまして、こんにちわ。
TBありがとうございました。
なるほど、山本先生は「家族と人情」がテーマの方なんですね~。
だいこんの続編も気になりますが、今度機会があったら「あかね空」や「大川わたり」も探してみようと思います。ありがとうございました。

北風さん☆コメント&TBありがとうございます。
「あかね空」は一力さんの原点だって思ってます。
読んだら、感想を聞かせてくださいね。

トラキチさん☆情報ありがとうございます。
つばきちゃんの続編が始まるって嬉しいなぁ。
とはいっても1冊にまとまるのは早くても来年?ですよね。
首を長ーくして待ってます。

コメント&TBありがとうございました。
>そして何よりエライのは、自分一人で悩まずにいろんな人の知恵を借りるんです。
そうそう。そして、この人達をとっても大事にするんですよね。エライなあ。
でも私は、ラストシーンのあっけなさがちょっと物足りなかったです。
続きではつばきの恋が成就したらいいですね。

ひろ009さん☆いらっしゃいませ。
つばきちゃんの恋が今度こそうまくいくといいんだけどなぁ、なんて期待してるんですけど、どうなんでしょうか?

おっしゃるように
つばきさんは若いし、上手くいっているときには突っ走りがちだと思うのに
人の知恵を借りることを厭わないのがすばらしいと思いました。
先達の知恵って宝ですね。
ビジネス書のように読める時代物ってミスマッチなようだけれど
なるほど!と思いました。

ふらっとさん☆こんばんは
人の知恵を借りることが上手くできないばかりに苦労している人って多いんです。
つばきさんのように素直な気持ちを持つことこそが大事ですよね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『だいこん』 山本一力:

» 『だいこん』 山本一力 (光文社) [活字中毒日記!]
だいこん山本一力著出版社 光文社発売日 2005.01.20価格  ¥ 1,890(¥ 1,800)ISBN  4334924492気風が良くて器量好し。みんなから愛されるつばきが一膳飯屋「だいこん」を舞台に繰り広げる人情たっぷりの細腕繁盛記。 [bk1の内容紹介]bk1で詳しく見る 時代 [続きを読む]

» 『だいこん』 [歯医者さんを探せ!]
● 表紙の印象    装画の屋根の端に少し見える赤は、あかね空なのか、火事なのか、それとも他の意味があるのかとしばし考える。雨の日が引っ掛かり結論出ず。ところで文中にある「杉板に彫った看板・・・」のくだりを読みながら、屋号の「だいこん」はタイトル文字... [続きを読む]

» だいこん [北風の木枯らしぴーぷー]
食べ物の話は、手が届かないのが残念です。読んでいる間、白米が食べたくて仕方があり [続きを読む]

» 待望の続編、連載開始! [活字中毒日記!]
久々に時代小説の話題を。 明日あたり出版社のHPで更新されるであろうが、今日は本屋で見かけたホッカホッカの情報です。 今年2月に『だいこん』を上梓、その女主人公の魅力的な描写に多くのファンの心を虜にした直木賞作家の山本一力さんであるが、待望の続編が小説 [続きを読む]

» だいこん(山本一力) [ひろの東本西走!?]
だいこん(光文社) ★★★★:80点 食べ物のことを描かせたら抜群の山本一力氏。魅力的な主人公”つばき”を中心に据えて、またまた心あたたまる人情話が出来上がりました。 主人公の”つばき”は良し。飯炊き [続きを読む]

» だいこん*山本一力 [+++ こんな一冊 +++]
☆☆☆☆・ だいこん山本 一力 (2005/01/21)光文社 この商品の詳細を見る 江戸に心から愛されている一膳飯屋がありました。知恵を使い、こころざしを捨てず、ひたむきに汗を流したおんなの生き方。直木賞作家の魅力あふれ... [続きを読む]

« 『あなたのアタマから嫌でもアイディアが飛び出してくる!』 トニー・ブザン | トップページ | 『いい女は、「ひとり」の時間につくられる』 中山庸子 »