『フライ,ダディ,フライ』 金城一紀
鈴木一さんは47歳のごく普通のサラリーマン。その日まで、特に波風もなく平凡な日常を過ごしていたんです。でも、その日を境に、彼の目標は一点に定まってしまったのです。
大事な高校生の一人娘が、男子高校生に殴られたんです。それも、タダの高校生ではなく、ボクシングの高校チャンピオンに。なぜ、うちの娘が殴られなきゃいけないんだ!鈴木さんは怒ります。そして、逆襲をすることを心に誓うんです。
とはいっても、フツーの中年男の鈴木さん。今のままの自分では、とうてい歯が立つような相手じゃありません。ひょんな事からであった在日の高校生「朴舜臣」クンに、1から鍛え直してもらうことになったのですが、毎日が特訓の連続です。
ただの中年おやじだった鈴木さんは、体を鍛えるとともに、心も鍛えられていきます。舜臣クンは娘と歳は変わらないけれど、在日としての厳しさを持っている分、鈴木さんより大人なんです。少なくとも「戦う」ということに関しては。
鈴木さんも、最初に殴られたのが自分だったら、こんな熱意はきっと持たなかったでしょう。被害者が娘だからこそ、ここで父親として奮い立たなければという気持ちになったんでしょうね。
家族を守るという基本に戻ったとき、お父さんはどんなことにも耐えられる、強い人になったのです。そんなお父さんはカッコイイです。
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聖月さん☆TBありがとう。
普段はジミなお父さんが、イザって時に活躍するのってカッコイイですよね。
昔、台風が来る前の日に雨戸を打ち付けたり、テキパキ指示をするお父さんはカッコよかったなぁ。
カッコイイお父さんって、今はどんな時に出没すればいいんだろう?なんて思います。
投稿: Roko | 2005年7月 2日 (土) 12:25
RokoさんTBありがとうございます。
久々に拍手喝采作品。
大好物です(笑)。
ボーっとしてました…今ごろになってリンクさせていただきましたのでよろしくお願いしますm(__)m。
投稿: ユミ | 2005年8月 4日 (木) 12:51
ユミさん☆コメントありがとうございます。
読み終わった後のサワヤカ感がいいですよね。
こちらこそ、どうぞよろしく。
投稿: Roko | 2005年8月 4日 (木) 14:30
体と共に心も鍛えられたって、本当にそうですね。
鈴木さん、最初とは全然違うかっこいいお父さんになってました。ゾンビーズの活躍も光ってましたね♪
投稿: エビノート | 2008年11月29日 (土) 20:02
エビノートさん☆こんばんは
ゾンビーズみたいな友達がいたら無敵ですよね!(^o^)/
投稿: Roko | 2008年11月29日 (土) 22:40
Rokoさん
私も読みました。
鈴木さんがどんどん強くなっていくところは
私もワクワクしながら読んでいました。
あまりにおもしろかったので映画も見ました。
岡田准一くんの舜臣は原作とは雰囲気が違うのですが、鷹の舞いがとても美しく、戦い方も舞いをまっているように華麗でした。
投稿: 日月 | 2009年3月18日 (水) 23:46
日月さん☆こんばんは
ヤル気になれば人間は強くなれるんですね!
映画も面白そうですね、今度見てみようかなぁ。
投稿: Roko(日月さんへ) | 2009年3月19日 (木) 21:48