ブログ内検索


  • ダメでもいいからやれ。
    体験もしないでお前ら、
    すぐに「ダメだ」って言うのは、
    学校で聞いただけの話だろう。
    やってみもせんで何を言っとるか
    (by 本田宗一郎)

読書Love!

  • 本が好き!
  • NetGalleyJP
    プロフェッショナルな読者
    グッドレビュアー 100作品のレビュー 80%

« 『幽霊人命救助隊』 高野和明 | トップページ | 『非常識会計学!』 石井和人、山田真哉 »

『イケズの構造』 入江 敦彦、 ひさうちみちお

イケズの構造
イケズの構造
posted with amazlet on 05.07.07
入江 敦彦、 ひさうちみちお
新潮社

 イケズってどんな人だと思いますか?「皮肉屋」とか「イヤミな奴」とか、「あまのじゃく」とかって思ってません?わたしはそう思ってました。でもこの本を読んだら、かなりイメージが違ってきたんです。

 例えば、「『色の白いは七難隠す』というじゃないですか」なんて言うと、東京だったら「そうねぇ、色白で良かったねぇ」ってことになるのだけど、京都だとこうなるんだそうで。

 「そんなん七つくらい隠したかて、難が煩悩の数ほどもあったらどないしますのん。百と一つも残ってますえ」

 もの凄ーいイヤミとも取れるけど、ここまでひねって考えられるのって凄いなぁ!とも思えます。

 家宝の掛け軸を名のある目利きの人に見てもらったら、こんな評価だったとか。

 「結構なお品です。これからは門外不出にして、見せびらかしたりせず、真筆と信じ大事になさい。」

 本当のことなんだけど、ストレートに言っちゃいけないことは、こうやって表現するんだなって感心しちゃいます。鈍い人だと真意はくみ取れないんじゃないか?って表現だなぁ。イケズな会話って、かなり高度な言葉遊びをしてるんだなぁと感動すら覚えてしまうほど。

 同じようなことを言っていても、「バカじゃないの?」と「アホちゃう?」じゃ随分イメージが違うものねぇ。でも、その柔らかなことばに思いっきりきついフレーズがちりばめられるところがイケズの本領発揮ってことなんでしょうね。

 イケズの主張するところは、「そやかてホンマのことやん」ってことなんですって!そりゃそうだ!本当のことを言われて怒るような子供じみた相手には、せいぜい本当のことを言ってやれと思うってのは、とっても分かりやすい理屈だなぁ。

 京都人は言葉を「言って良いことと悪いこと」だけでなく「言って楽しいこととツマらんこと」に分類しているような気がします。

 ってところは、他の地域の人達も見習うべき考え方だなぁって思うなぁ。どうせしゃべるなら面白いことをしゃべろうって、確かにそうだよねぇ。特に政治家の皆さん、ツマらんことばっかり話していると、誰も聞いてくれなくなっちゃいますよ!

« 『幽霊人命救助隊』 高野和明 | トップページ | 『非常識会計学!』 石井和人、山田真哉 »

ことば・コミュニケーション」カテゴリの記事

コメント

イケズって単なる意地悪なことじゃないのですね。(どうもまるちゃんが使う「いけずぅ」のイメージがつよい)
でもなんだか京都の人って面倒くさそうだな・・

ゆみりんこさん☆おこしやす
イケズって、かなり高度な技術がいるんですねぇ。
細かいところに気が付いて、なおかつ的確な表現、ある意味見習いたい技術だなぁ!

よっしーさん☆TBありがとう
イケズって、タダの嫌な奴じゃないってことが分かったと同時に、かなり高度な技術が必要なんだなって感心しちゃいました。
イケズ語訳も良かったですね。
シェークスピアも源氏物語も、イケズだったんだぁと解釈すると、こんなにも分かりやすいなんて!

はじめまして
いままで、ふざけて人の事を「イケズ」とか言っていましたが。。。「イケズ」になるには、高度な技術がいるんですね^^
とても面白かったです。また遊びにきます。

てつさん☆いらっしゃいませ
いやぁ、わたしもイケズってものの正体を知って、かなりビックリしたんですよ!
タダのイヤミじゃないし、かといって性格が良くては到底無理だし、いろんな知識を持っていなければならないし、ひねりかたが難しいですねぇ。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『イケズの構造』 入江 敦彦、 ひさうちみちお:

» 入江 敦彦『イケズの構造』 [気まぐれな読書]
イケズの構造 入江 敦彦, ひさうちみちお 京都に行った人なら一度は聞いたことがあるでしょう、「京都人のイケズ」。その信じがたく恐ろしい爆笑のエピソードから歴史的分析、誤解のツボと真相、声に出して読みたい京言葉、古典的名著のイケズ語訳まで、誰も語らなかった [続きを読む]

« 『幽霊人命救助隊』 高野和明 | トップページ | 『非常識会計学!』 石井和人、山田真哉 »