『切れない糸』 坂木司
新井和也クンのお父さんが急に亡くなり、彼は家業のクリーニング店を継ぐことになったんです。継ぐとはいっても、彼はまだ大学生。何をしたらいいのか全然分かりません。そんな彼を支えてくれるのは、パワフルなお母さんと、彼が生まれる前から店にいるアイロン職人のシゲさん。
なれない客先回りをしながら、彼は段々と仕事の難しさ、楽しさを覚えていきます。でもどうしていいやら分からない時、何でこんなことしてるんだろうって疑問を感じたとき、近所の喫茶店ロッキーで働く沢田クンのところへいって話をすると、なぜかスッキリしてくるんです。
最初はクリーニング屋さんの話かなって思っていたら、途中から違う感じになっていきます。和也クンがお客様から預かってくるいろんな服の話を聞きながら、池田クンがいろんな推理をしていきます。そう、まるでホームズとワトソン博士のように。
この本は推理ものなのかな?でも、働き始めたばかりの青年の話でもあり、家族の物語でもあるんです。まぁ、細かいことはさておいて、現代にもこんな純朴な青年がいるんだなってホッとさせてくれる、とってもさわやかな一冊でした。このメンバーが登場する続編を期待しちゃいます。
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切れない糸posted with 簡単リンクくん at 2005. 5.28坂木 司東京創元社 (2005.5)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る
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切れない糸
坂木 司
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「切れない糸」坂木司(2005)☆☆☆☆★
※[913]、国内、現代、小説、ミステリー、推理、アームチェアディティクティブ、クリーニング店、ワトスン、商店街
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» 切れない糸 〔坂木司〕 [まったり読書日記]
切れない糸
≪内容≫
俺、新井和也。家は商店街によくある町のクリーニング屋。
目下のところクリーニング品の集荷が俺の主な仕事。
毎日、お得意さんの家を訪ねては、衣類を預かってくるというわけ。
ところが、あるお得意さんから預かった衣類は…。
(MARCデ....... [続きを読む]
Rokoさん、こんにちは。
TBとコメントをどうもありがとうございます。
ミステリっていうより、和也の成長と沢田との友情、そして家族や商店街の人たちとの関係を描いた、「人と人とのつながり」の物語ですね。
とても気持ちのいい本でした。
投稿: MICHI☆みすず | 2005年7月 3日 (日) 09:59
MICHI☆みすずさん
コメント&TBありがとう。
和也クンが周りの人達と自分との関係を学んでいくところがとってもいいなって思います。
「池袋ウエストゲートパーク」の誠クンよりも、ちょっと気が弱そうなところがいいなぁ。
投稿: Roko | 2005年7月 3日 (日) 10:24
コメント&トラックバック、ありがとうございました。のぽねこです。
マイレコの方で、お名前は拝見しておりました。
坂木さんの、既刊の三部作も、心温まる素敵な物語です。
ぜひ、お読み下さい。
本書も素敵でしたね。
投稿: のぽねこ | 2005年7月 3日 (日) 13:55
のぽねこさん☆コメント&TBありがとうございます。
クリーニング屋さんの仕事って、奥が深いんだなって改めて感じました。
既刊もぜひ読もうと思ってます。
それくらい、この本は面白かったんです。
これからも、よろしくお願いします。
投稿: Roko | 2005年7月 3日 (日) 18:16
「切れない糸」というタイトルが作品にぴったりですよね。家族のつながりや、友情など、人と人とのつながりって、こういうものなんだよなぁと優しい気持ちにさせてくれる物語でした。
引きこもり探偵シリーズも読むのが楽しみです。
投稿: エビノート | 2006年8月28日 (月) 23:05
エビノートさん☆こんばんは
クリーニングへ出した服から、それを着ている人がどんな人なのか推理できてしまうなんて、面白いけど、実際にそう見られていると思うと怖いですねぇ。
投稿: Roko | 2006年8月28日 (月) 23:15
こんにちは。TBさせていただきました。
気になっていたのですが、ずっと読めず、ようやく読めました。
想像通り面白かったです。
こんな素敵な青年がいたら良いですよねぇ。
生粋の生物委員。本人に自覚がないのがまた良いですよね。
クリーニングの仕事の裏側もわかって勉強になりました。
ぜひとも続編を出してほしいです。
投稿: 苗坊 | 2009年9月 6日 (日) 17:16
苗坊さん☆こんにちは
クリーニング屋さんって洗濯するだけじゃないんだってところも面白かったですね。
依頼されるものの種類も増えているし、修理の仕事も増えているみたいですよね。
和也クンって、洗濯王子みたいなのかしら?
投稿: Roko(苗坊さんへ) | 2009年9月 6日 (日) 17:59