『わが闘争』 角川春樹
角川春樹といえば、元々は角川書店の2代目でありながら出版だけではあきたらず、映画や音楽とのメディア・ミックスを手がけた凄い人。そんな彼の自伝はアット驚くような話ばかり。ある意味傲慢だけど斬新というのが彼の生き方のようだ。
「犬神家の一族」から始まった角川映画は一世を風靡しましたよね。「人間の証明」「戦国自衛隊」「時を掛ける少女」どれも小説+映画+音楽で成功でした。今やこういう売り方って普通だけど、そういうスタイルを作っていった彼の功績は大きいですよね。
この本で初めて知ったんですけど、角川書店で初めてミリオンセラーになった「ラブ・ストーリィ(ある愛の詩)」って、春樹さんが買い付けた作品だったんですね。「ジャッカルの日」や「ジョンとメリー」「マッシュ」なども彼のプロデュースだったなんて!
それまで味も素っ気もなかった文庫本の表紙をカラー化したり、目立つ本の帯を付けたり、TVコマーシャルで目立つキャッチコピーを使ったり、「母さん、僕のあの帽子、どうしたでしょうね?」「読んでから観るか、観てから読むか」なんて、今でも記憶に残る見事なコピーでしたよね。
つかこうへいや片岡義男に小説を書くように奨めたのも春樹さんなんですって!片岡さんは「エルビス」という本の翻訳をしたんですけど、その本のあとがきの文章が「ライト感覚でセンスのいいものだった。」と感じたっていうんだから、その眼力は凄いなぁ!
そんな彼の人生も2000年を境にいろんな試練が訪れます。ガンになったり、刑務所に入ったり、さすがの春樹さんも参ってしまって、ある方に相談したんだそうですが、その答が、
「角川さんに越えられない試練は、与えられていません」
この言葉を信じてガンも刑務所生活も耐えてきたというんだから、その信念たるやすごいものがあります。
この本は誰にでも勧められる本だとは思いません。この本を読んで春樹さんってなんて傲慢な奴なんだろう!って思う人もいるだろうし、とんでもない奴だって思う人もいるでしょう。でも、そんな人だからこそ、他人にはできないことができるんだろうなぁということを感じます。
「何をやっても最初はみんなに反対された、でもそれがヒットするとみんなオレのマネをする」と春樹さんはこの本の中で何回も言っています。「出る杭は打たれる」の見本のような人生は、彼をより強くしていったんでしょうね。
春樹さんが、次に何をやってくれるのかを楽しみにしています!
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兎に角、角川さんって思い込みも含めてパワーが、凄いですね、、。
TBありがとうございました。
投稿: indi-book | 2006年2月26日 (日) 20:41
indibookさん☆
ここまで思い込める春樹さんのパワーって、本当に凄いです。
次は何をしてくれるのか、ついつい気になっちゃう人ですよね。
投稿: Roko | 2006年2月26日 (日) 22:08