『青春ピカソ』 岡本太郎
モダンアートが戦後、急激に一般の生活に浸み込んで来たせいでもあるが。「ピカソ」はその代名詞になっているのだ。わけの解らないような絵は全部「ピカソ」で片付ける。(本文より抜粋)
芸術なんて言葉も知らない頃から「ピカソ」という名前は知っていました。確かに子供の頃、よく解らない絵のことを「ピカソ」みたいって言ってたなぁ。
そして岡本太郎という名前を知ったのは大阪万博の時。「太陽の塔」を作ったんだよね。その後も「グラスの底に顔があってもいいじゃないか」とか「芸術は爆発だ」なんて言葉と伴に、岡本太郎の存在もどんどん大きくなって膨らんでいきました。
岡本太郎がピカソを語るこの本は昭和28年に書かれたものなのだけれど、今読んでも全く古さがない。というよりも、まるで今という時代の話をしているようなのです。
そしてこの本から感じるのは、一般に信じられているような奇人の岡本太郎ではありません。好奇心旺盛で、素直で、冷静で、熱い心を持った青年がそこにいます。岡本太郎は、あらゆる意味で感性の優れた人だったんだなぁと、今更ながらに驚くのです。
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