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『空中ブランコ』 奥田英朗

空中ブランコ

奥田英朗(おくだ ひでお)

文春文庫

第131回(2004年上期)直木賞受賞作

 伊良部先生は相変わらずハイテンションですねぇ。こんな神経科の先生が本当にいたらどうかなぁ?誰かの付き添いでだったら喜んで行っちゃうけど、自分が見てもらうのは勇気が要るなぁ。

 そして看護婦のマユミちゃんも相変わらず。注射はイヤだけど真由美ちゃんのミニの白衣を見たいっていう男性の患者さんいませんか?

空中ブランコ
 サーカスの空中ブランコのスターが、なぜか飛べなくなってしまって伊良部総合病院神経科を訪れます。先生はいつものように患者さんにすぐなつきます。そして、空中ブランコの練習を始めてしまうんです。あのデブができるのかって?それは読んでのお楽しみ。

ハリネズミ
 ヤッチャンが尖端恐怖症になっちゃった。これは仕事上とても困ってしまうのです。

 「それで、尖ったものって、どういうものがだめなわけ?」
 「全部だよ。刃物はもちろん、箸も、爪楊枝も、鉛筆も、傘も」
 「東京タワーは?」
 「何言ってるのよ、先生」
 「だって尖ってるじゃん」
 「平気に決まってるでしょう。あんなでかいもん」
 「ミサイルは?」
 「それも平気」
 「じゃぁ、とんがりコーンは?」
 形が頭に浮かぶ。「ええと・・・・だめかな」そんな気がした。


 伊良部先生って、けっこうスルドイのかもしれない。

義父のズラ
 義理の父であり、自分が勤める大学の学部長はカツラーなんです。そのカツラを剥ぎ取りたくってしょうがない衝動にかられた池山さんは、いつかやってしまうんじゃないかという恐怖に駆られてしまいます。大学の同級生だった伊良部先生を訪ねていくのですが、そこで逆に悪い約束をしてしまいます。

ホットコーナー
 プロ野球の名サードとして活躍してきた選手が、なぜかファーストに送球できなくなってしまったんです。伊良部先生に相談したら、病気の話しててもしょうがないから、それより野球教えて言われて、キャッチボールを始めてしまうのです。

女流作家
 有名な作家なのに、このごろ文章を書いていると具合が悪くなる。おまけに、自分が今書こうとしている登場人物を、以前にも書いたことがあるんじゃないかという強迫症もあって、伊良部先生に相談しちゃいました。

 どの作品でもお約束のビタミン注射が出てくるんですけど、このときだけはマユミちゃんと伊良部先生のコンビネーションは抜群!アホなことばっかりやっているようだけど、実は伊良部先生ってもの凄い名医なんじゃないかな?

 神経を病んでいる人って多いですよね。それに気が付いてるんだけど、神経科へ行くっていうのには抵抗のある人がまだまだ多いんですよね。今は心療内科っていうのもあるんだし、なるべく早めに診てもらった方がいいんだけどねぇ。

 更に困っちゃうのが、自分がおかしいって事を認めない人ですよね。とりあえず休めって言っても、そういう人に限って仕事好きなんだから。壊れちゃってから気が付いたって遅いんだよ!

 

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コメント

TB&コメントありがとうございました(^^)
こんなに楽しい本を読むのは久しぶりでした。
インザ・プールも早く読みたいんです。
こんな風に神経の病気がみんな治ってくれたらいいのにと思いますね~。かなり大冒険ですが…。

4040さん☆コメント&トラバありがとうございます。

こういう楽しいストーリーってなかなかありませんよね。

伊良部先生にはこれからも頑張ってもらいたいなぁ!

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「空中ブランコ」 奥田秀朗  文藝春秋 これは面白かった〜。 「イン・ザ・プール」と同じシリーズ。  精神科医伊良部とその患者たちの話です。 伊良部は、伊良部総合病院の息子で、精神科を担当している。 しかし、彼は普通の医者ではない。なんだか変なのだ... [続きを読む]

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