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『となり町戦争』 三崎 亜記

となり町戦争
となり町戦争
posted with amazlet on 05.08.22
三崎 亜記
集英社

 

となり町との戦争のお知らせ】
 開戦日 九月一日
 終戦日 三月三十一日(予定)
 開催地 町内各所
 内容  拠点防衛 夜間攻撃
     敵地偵察 白兵戦
 お問合せ 総務課となり町戦争課

 こんな内容がを地域の広報誌に載っていたのを見て、主人公は自分の住む町ととなり町が戦争することを知るのです。とはいっても、なぜ戦争をするのか?どんな場所で先頭が行われるのか?彼にはちっとも分からないんです。

 そんな彼は「偵察員」に任命され、どんどん戦争に関わるようになっていくのです。敵地である「となり町」に住み偵察活動を行うのですが、どうも実感が湧きません。広報誌に載る戦死者数によってのみ、戦争をかろうじて感じることができる日々が続きます。

 戦争を決断するのは町だけれど、実行するのはコンサルティング会社、市民生活に支障をきたさないように戦闘が行われるっていうスタイルは、妙な現実感があります。気が付いたら、自分のそばでもそんなことがあるかもっていう恐怖感が湧いてきます。

 余りにも淡々とした文章なので最初は気付かなかったのですが、これってSF?
 こんな世の中にならないことを祈るばかりです。

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日本の作家 ま行」カテゴリの記事

コメント

おはようございます(^.^)
SFって言えばSFなのですが・・・
たとえば村上春樹もSF設定を入れ込みますよね。

私としては、これはすばる文学賞というエンタメ系の登竜門を通過した作品なのですが、純文学に近いものを感じましたよ(^.^)
言葉をひとつひとつ拾っていくと輝いているような。
だから、直木賞とらなくてよかったなあ、みたいな(笑)
いつか文芸的な賞をとってほしい作家だと思います(^.^)

聖月さん☆コメント&TBありがとうございます。
この本で描かれている場所は、不思議な世界でしたね。
日本のどこかのようだけど、でも別のどこかに存在しているパラレルワールドって気もするし。
次回作が楽しみです。

リスケさん☆トラバありがとうございます。
戦争って、もっと派手なものだと思っていただけに、淡々と進む戦争ってのは逆に怖い感じがしました。
戦争をしていないつもりでいても、どこかで戦争とつながってしまうっていう事実を突きつけられたような気がします。

Rokoさん、こんばんは。
やっとPCが直りました。
たぶん復活です(笑)また、おかしくなりそうな気もするのですが・・・・。


この作品はSFなんですねー。
そういわれてみればそういう気もします。
もうひとつの別世界を描いた作品なんでしょうね。
こんな世界にはなってほしくないなぁ・・・・と思ってしまいました。

りーふいさん☆コメント&トラバありがとうございます。
普通そうでいて実は怖い世界でした。
PC復活オメデトウございます。
ガンガン記事をアップしてくださいね。

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