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『袋小路の男』 絲山秋子

袋小路の男
絲山 秋子
講談社

 大好きな人だけど、恋人ってワケじゃない。付き合ってるんじゃないけど、何かというと電話してる。けなし合っているようでいて、そんな会話をたのしんでいる。

 日向子と孝はそんな関係をずっと続けている。お互いに相手に合わせてやってるんだと思っている。なのに相手に恋人ができれば気になってしょうがない。だから「あいつは胡散臭いから止めておけ」なんて言ってしまう。

 どんな人と巡り合うのかっていうのは運命だっていうけれど、それだけなんだろうか?自分という人間と良く似た人、あるいは全く逆の人を無意識に選んでいるんじゃないかな?

 女性の側から見た「袋小路の男」、男性の側から見た「小田切孝の言い分」、それぞれの言い分が面白い。この2人の物語はまだまだ続きそうだけど、こういう思いをしている人って世の中にはたくさんいるんだろうなぁ。

 3つ目の物語「アーリオ オーリオ」は若いおじさんと中学生の姪っ子とのストーリーで、星の話が元でどんどん仲良くなっていくという話なんだけど、「受験があるから、そういう話は余りしないでくれ」と自分の兄(姪っ子の父親)に言われてしまうところがちょっと悲しかったなぁ。

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日本の作家 あ行」カテゴリの記事

コメント

ほんと、こういう想いをしてるひと、抱えてるひと、たくさんいそうですよね。でもありふれているからこそ、この物語が心に染みるのかなぁと思いました…いや、私は今のとこ違いますが!(笑)

chiekoaさん☆コメント&TBありがとうございます。
「言い分」もあっての、「袋小路」だなぁって思います。
それぞれの言い分ってのが面白いなぁって思いました。
これって「純愛」とは思わないなぁ。2人とも誰かと付き合ったりしてるし。(^^ゞ
お互いを必要としてるくせに、妙に突っ張っちゃってる2人の関係が何だか微笑ましいし。
孝クンの評判が余り良くないようですが(笑)、わたしこういう人好きです。

この微妙な距離感って、辛そうなのだけれど、
ちょっといいなぁ・・とも思ってしまいます。
孝クンが好きかというと微妙ですが、
ひかれてしまうというのはわかります。

juneさん☆こんばんは
こういう関係って、どこまでもズルズルいきそうで怖いですね。(^_^;)
でも、どうしようもなく惹かれてしまう心にブレーキはないんだよなぁって思いました。

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