『万物の理論』 ケン・ウィルバー
ううむ、分かったような分からないような状態ですが、とりあえずわたしが受け止めた感想を書こうと思います。
これまでの人間の歴史では様々な争いがあった。それは人種間の争いであったり、ナショナリズムの誇示であったり、侵略であったり、様々な理由付けをしてきたのだが、それらをミーム(段階)の争いと考えると、とても理解しやすくなる。
下から順に、ベージュ・パープル・レッド・ブルー・オレンジ・グリーン・イエロー・ターコイズ・コーラルとイメージ付けられている。
どんな人でも生まれた時にはベージュのレベルからスタートし、段々と上の層へと移動していく。人だけでなく社会や国家も同じように階層を移動し、どこかの段階へ到着する。
ベージュとパープルのミームは、人間でいえば子供の状態、自己中心的状態にある。次のレッド・ブルーのミームは民族中心的状態、いわば全体主義ということなのだろうか。個人よりも社会の規律の方が大事という世界だ。
科学的な達成を得るオレンジのミームを経て、グリーンのミームに到達するとやっと相対的な世界観を持ち、自己の探求と他者との調和について考えることが出来るようになるという。オレンジまでのミームを第一層のミーム、グリーンから先を第二層のミームと考えることができる。
第一層のミームはどれもそれ自身では、他のミームの存在を十分に認める事がでできない。第一層のミームはどれも、自分の世界観が正しく最高の視点だと思っているのだ。挑戦を受けると、否定的に反応する。(本文より抜粋)
パレスチナとイスラエルの問題も、国連が崩壊状態なのも、6ヶ国協議がなかなか進展しないのも、つまるところはこのミームの問題なのですね。
宗教というものは、第一層のミームではとても重要な位置を占めてますよね。なぜなら宗教は規則であり、共通言語であり、思考の中心を支えているものだからです。第二層のミームに達したとき、宗教というものはどうなっていくのでしょうか?
国境なんかないと思ってごらん、宗教なんかないと思ってごらん、イデオロギーなんてないと思ってごらん、世界は一つになるのさ、ってイマジンの歌詞を思い出してしまいました。第二層のミームってイマジンの世界に近づいて行くって事なのかなぁ。少しでもそちらへ向かって進んでいければいいのだけれど。世界も、そしてわたし自身も。
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ジョンやヨーコは、第二層の人達かも知れませんね。
投稿: メセニ | 2005年9月23日 (金) 22:45
メセニさん☆コメントありがとうございます。
わたし達が学ぶべき事というのは、精神的なものであったり、肉体的なものであったりするのですけど、どれか一つを極めるというのではなく、総合的に学んでいかなければならないものなんですね。
毎日生きていく中で「Kosmosの4象限」を意識し続けるということが、第二層への道なのでしょうね。
うーん、やらねばならないことが多過ぎる!(^_^;
投稿: Roko | 2005年9月24日 (土) 00:01