『感光生活』 小池昌代
今月のダ・ヴィンチで、石田衣良さんが「恋の短編集」として紹介していたので、それではということで読んでみました。
作者の小池さんは、もともとが詩人だからなのでしょうか、言葉の選び方が面白いですね。文章のタイトルもなんてことないようでいて、内容をズバリ一言で言えていて爽快です。
この本に収められている作品は、小説という形をしていますけど、実はノンフィクションなのではないかと感じてしまう雰囲気に溢れています。
蜂蜜びんの重み
主人公は会社から突然解雇を言い渡されます。それに戸惑うというよりも、もしかしてこれは別の場所へ行けという自分への声なのかもしれないと思う主人公の気持ちは、なぜかとても共感できてしまいました。
青いインク
ある人が持っていた万年筆がいろいろな人の手に渡っていくという物語なのですが、人と人とのつながりというのは、案外そんなものなのかもしれないと思えてくるのです。
クラスメイト
高校の同級生から連絡が入るのですが、どんな人だったのかちっとも思い出せない「わたし」。話をすると、同級生でなければできない話題で話で弾むので、間違えなく同級生だったはず。なのに顔を見ても学生時代のその子のイメージが湧かない。ちょっと怖い話です。
全部で15編ある短編集なのですが、人間ってどうやって他の人と関わっていくのだろうか?というテーマが全編に流れているような気がします。知っている人のはずなのに、わけが分からない人だったり、初めて会った人なのにもの凄く意気投合してしまったり。
そうそう、小池さんと石田さんは高校の同級生なんですって!「クラスメイト」に出てくるあの高校ですか?だったらお2人とも秀才ってことだなぁ。
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Rokoさん、こんにちは。
私も「ダ・ヴィンチ」の石田衣良さんの記事で、この本のことを知りました。
石田さんの本は未読なのに、なぜかこの人の選ぶ本に惹かれてしまう私です。
最近某女性誌で紹介していた“金子光晴”にも密かに注目しております。
本のことではなく、あれこれ自分のことを書いてしまいましたが、
ぜひTBさせてくださいませ。
投稿: ましろ | 2005年10月25日 (火) 08:21
ましろさん☆コメント&トラバありがとうございます。
この本を読んで感じたのは、こういうことっとありそうだなぁっていう、不思議な現実感です。
とっても楽しめる1冊でした。
ところで、石田衣良さんの本も読んでくださいね。
わたしのお薦めは4TEENです。
投稿: Roko | 2005年10月25日 (火) 23:02
こんばんは、Rokoさん。
この本は、良かったですよ。
日常のちょっとした不思議さ、
何ともいえないものがありました。
投稿: モンガ | 2007年5月12日 (土) 22:22
モンガさん☆こんばんは
小池さんは「言葉の力」を感じる方ですね。
ほかの作品も出てたんですね、読んでみようっと!
投稿: Roko | 2007年5月12日 (土) 22:38