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『逃亡くそたわけ』 絲山秋子

逃亡くそたわけ

絲山秋子(いとやま あきこ)

講談社文庫 

「先生あたし躁の時幻聴があるんです。幻聴が来ると躁が悪くなって何するか判らないんです。亜麻布二十エレは上衣一着に値するって、毎日毎日そればっかりでわけわからないんです」(本文より抜粋)

 そんなに重度の患者ではないのでセキュリティが甘いのをいいことに、精神病院から逃げ出した花ちゃんとなごやん。車で福岡をスタートし、どんどん南へと逃げていきます。

 2人で逃げながら考えることは、病院の食事はなんてまずいんだろうとか、運動不足で便秘になっちゃうとか、薬ばっかり飲まされてかえって体調が悪くなっちゃうよねなんてことばかり。病院って病気を治すところだったんじゃなかったっけ?

 なごやんはいろんな理屈をこねるけど、衝動的パワーを持つ花ちゃんにイヤとは言えないんですよね。そんなことは最初は思いもしなかったんだろうけど、花ちゃんと一緒に時間を過ごすことによって、なごやん自身の抱えている問題が段々と見えてくるんです。

 このストーリーってロードムービーみたいだなぁ。2人が逃亡しているといいながら、ちゃんと観光してるし(笑)。とにかく2人が旅する九州の町々は、とっても魅力的なんですよ。わたしも九州の旅へ行きたくなっちゃいました。

 

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日本の作家 あ行」カテゴリの記事

コメント

ココさん☆トラバありがとうございます。
なごやんの病気の原因って、故郷を隠そうとするところから始まってるんじゃないかなって思えました。
花ちゃんみたいに故郷を自慢できるって事は、それだけで幸せなことなんだなぁって思います。
それにしても、なかなか痛快なストーリーでしたよね。

コメントとTBありがとうございます。
この本はとても旅心を誘う素敵なガイドブックでしたね。
それもそうなのですが今改めて思い返すと、花ちゃんとなごやんが友情(愛情?)を深めていくのが「いいなー、いいなー♪」と私を嬉しくさせてくれて「旅先で深まる関係ってあるよなー、旅行にいきたいなー」となってしまったようです。
そんな単純な私ですが、今後ともよろしくお願い致します。

bamseさん☆コメント&トラバありがとうございます。
最初からどこへ行こうというのではなく、適当に行く旅ってのもいいかも?
動機はともかく、こういう旅っていうのもいいなぁって思っちゃいました。

この本も、面白かったです、、。
ロードムービーって、なんか、ドライブ感が、あるんですよね、、。
TBありがとうございました。

indibookさん☆
花ちゃんは病気のセイって事もあるけれど、もの凄いパワーがあるじゃないですか。そこに妙な魅力を感じてしまったんです。
やると決めたらやってしまう行動力って羨ましいなぁ!

>このストーリーってロードムービーみたいだなぁ。

映画化されたそうで、原作の会話もおもしろいし、よい映画になって当然! という気がしますね。

>花ちゃんと一緒に時間を過ごすことによって、なごやん自身の抱えている問題が段々と見えてくるんです。

はいはい、そこら辺がとても上手に書かれていました。

ディックさん☆こんばんは
これも映画化されちゃうんですね!
観たら旅したくなっちゃうんだろうなぁ~!

こんばんわ。
二人の会話も楽しくて、面白かったですね。
映画化されてるんですね。
景色とか、きれいなんだろうなぁと想像しています。
Rokoさんのおっしゃる通り、旅したくなっちゃうんでしょうね。

i.a.さん☆こんばんは
こういう「あてのない旅」ってのをしてみたくなっちゃいますねぇ!

こんにちは~♪読んでから映画化されていることに気がつきました。(^^;ゞ
追われているかも?と焦ったりもするくせに、ちゃっかり観光している所が笑えます。(笑)病状の事もあるけれど、郷土を愛する気持ちが凄く感じられてそこがとても読み心地が良かったなぁと思いました。(^^ゞ

板栗香さん☆こんにちは
こんな状況なのに、ただ逃げているだけじゃない2人に笑えちゃいました。
郷土愛が人間を作るって部分もあるんだなぁって思いました。

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