『わが友 本田宗一郎』 井深大
ソニーとホンダって業種こそ違っているけれど、会社の根っこのところがとても似ている会社ですよね。とにかく新しいもの、誰も作ったことがないものを作りたい!という姿勢がこの2つの会社を大きくしてきたのだと思います。
ソニーはトランジスタラジオで一世を風靡し、ホンダは高回転エンジンのバイクで世界制覇し、どちらも一流の会社になっていったんですけど、井深さんと本田さんのスピリットが薄くなってしまった今、どちらも新しい方向性を模索しているところかなと思えるのです。
どちらかといえば物静かな井深さんと、いつでも元気な本田さんはとても仲が良くて、いろんなことを語り合ったのだそうです。業界は違っても、どちらも技術屋さんだから、きっと話が合ったのでしょうね。
結局、日本人は目的がはっきりしないで仕事をやってることが多いんだ。学校だってそうだよ。学校で教えることも必要だけれども、教えるのは過去のことなんだな。本当に問題なのは、未来なんだな。(本田)
5年後の商品は60%がいま世の中に出てないもんだっていうんですね。これ、ウソじゃないと思う。そうなるとね、学校で教わった事なんて、少なくとも10年前のことなんだ。そこへ予想しないものがでてくるからあわてるんだ。(井深)(本文より抜粋)
「教わることができるのは過去のこと」っていうことでお2人の意見が合っているところがスゴイです。過去にあったことを沢山覚えることが勉強みたいに考えているから、先に進めなくなってしまうんだと、随分昔の対談でも語ってらっしゃるんですよね。
未来を作るのは想像力であるともおっしゃっています。そして、下手な知識は想像力の邪魔をするだけで、何の役にもたたないことが多い。そういう無駄な知識を持たない若い人のアイデアを生かせなかったら、面白いものは作れないと言い切る2人。こういう経営者だからこそ、ああいう会社ができたのだなぁ。
最近の日本はいろんなことが2極化してきたなぁと思います。お金持ちとそうでない人、勉強する人とそうでない人、健康な人とそうでない人、頭を使っている人とそうでない人。真ん中へんって人は余りいなくて、両端に人が集まってしまっているって感じがします。
その2つが同じくらいの量ならバランスが取れるのだけど、どうも「そうでない人」側の方が圧倒的に多いんじゃないかなと思うんです。「みんな中流だ」という意識だけが残っていて、その大きな誤解を共有しているのかなぁ?
そうなると、健康で自分の頭で考えてお金持ちになる人と、そうでない人の差ってどんどん広がるばかりってことですよね。どっちになるかは自分で決めるしかないんですけど、あなたはどちらを選びますか?
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