『日本語ぽこりぽこり』 アーサー・ビナード
この本の題名に使われている「ぽこりぽこり」のような擬態語のことを「オノマトペ」というんですね。onomatopee はフランス語で、英語だと onomatopoeia です。
英語でも「トゥインクル」とか「バウワウ」とか、オノマトペはありますけど、日本語のオノマトペはもの凄く多いのだそうです。春の小川はサラサラ流れ、夏の太陽はギラギラ輝き、秋の枯葉はハラハラ落ち、冬の雪はシンシン積もる。こういう擬態語の多さというのは、日本人の感性の成せるわざなのでしょうか。
こういうところを面白いと感じるビナードさんは、さぞかし日本語の覚えが早かったんでしょうねぇ。面白がるということが、一番身につく方法ですもの。
擬態語を一番有効に使っているものって、マンガなんじゃないかと思います。サッ!、ギクッ!、ガーン!、ウットリ、こういうことばが斜めの太文字でよく出てきますよね。アメコミでも「バコーン!」みたいなのがよくあるじゃないですか。ある状態を強調するのに、オノマトペって有効だってことですよね。
普段の会話でも、わたしたちは無意識にオノマトペを使ってますよね。お茶漬けサラサラ、おそばをツルツル、アイスをペロペロ、食べすぎちゃっておなかがパンパン。好きな人を見かけてドキドキ、明日は遠足なのでワクワク、仕事が忙しくてイライラ、満員電車でギュウギュウ、お風呂に入って体がポカポカ、二日酔いで頭がガンガン、オノマトペなしでは毎日の生活を表現するのは無理ですねぇ。
みなさんも気づかれたかもしれませんが、オノマトペって同じ音の繰り返しで「ニコニコ」のように4音でできているものが多いんだそうです。
契約書やら、正式の文書には使われることはないけれど、日常会話には必ず出てくるオノマトペの使い方で、その人らしさが出てくるのかなぁ。
トラックバック先
+++ こんな一冊 +++
« 運命は決められているのものなのか? | トップページ | 『なぜ、占い師は信用されるのか?』 石井裕之 »
「ことば・コミュニケーション」カテゴリの記事
- 『遺体と火葬のほんとうの話』 佐藤信顕 24-273-3299 (2024.09.24)
- 『英語多読』 繁村一義、酒井邦秀 24-173(2024.06.17)
- 『句点。に気をつけろ』 尹雄大 24-100(2024.04.05)
- 『言語の本質』 今井むつみ 秋田喜美 24-47(2024.02.17)
- 『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』 三宅香帆 361(2023.12.28)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 『日本語ぽこりぽこり』 アーサー・ビナード:
» 日本語ぽこりぽこり*アーサー・ビナード [+++ こんな一冊 +++]
日本語ぽこりぽこり(2005/02/28)アーサー・ビナード商品詳細を見る
著者は、アメリカ出身の日本語詩人にして新聞コラムなどの軽妙な文章でも注目... [続きを読む]
アーサー・ビナードさんの著書を読むと、何気なく使っている日本語を見直し、改めて好きになります。
ほんとうに、オノマトペなしでは生きていけないかも^^;
投稿: ふらっと | 2009年9月18日 (金) 13:03
ふらっとさん☆こんばんは
わたしたちは日本語特に意識しないで使ってますけど、外国語として学ぶ人にはこういう所が気になるんだなぁってところが面白いですね。
新しい視点でとらえた日本語はとっても新鮮です!
投稿: Roko(ふらっとさんへ) | 2009年9月18日 (金) 22:05