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『サウス・バウンド』 奥田英朗

サウス・バウンド
サウス・バウンド
posted with amazlet on 06.02.23
奥田 英朗
角川書店

 小学校6年生の上原二郎くんは両親とお姉さんの洋子さん、妹の桃子ちゃんの五人で中野に住んでいました。

 お母さんは喫茶店を経営していて、少し年の離れたお姉さんは会社勤めをしているけど、お父さんはいつも家にいて何をしているんだかよく分かりません。

 このストーリーは2部に分かれていて、前半は東京の中野での暮らし、後半は沖縄の西表島へ移住してからの暮らしが描かれているのだけど、その余りにも違う暮らしに案外素直に順応してしまうこの一家、ただ者ではありません。

 東京にいる間は、お父さんってとんでもないトラブル・メーカーとしか思えなかったのに、西表島へ来てからは、少しずつ二郎くんにも理解できるようになってくるところが、なんだかいい感じなんですよ。

 「国家に属する必要など無い」とか「なぜ、学校へ行くことを強制するのか」なんて、しょっちゅうケンカばかりしているお父さんに、実は1本筋の通ったところがあるというところが見えてくるんです。

 東京にいる頃は学校なんてあんまり好きじゃなかったのに、島に来てみたら近所に子供が全然いなくて、人恋しさの余り学校へ行きたくなっちゃったりするんだから、世の中分からないものです。

 これからどうなっていくのかは「?」だけど、この一家はきっと仲良く暮らして行けそうだなという予感がするラストでした。

 パイパティローマが本当に見つかるといいなぁ!

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コメント

「パイパティローマがどこかにある」って思ってれば、がんばれる気持ち、なんだかわかりますよね!すごく好きな本になりました!

chiekoaさん☆
西表島へ行ってからのお父さんは、とっても格好良くなっちゃって!
こういう家族って理想的だなぁ!

こんにちは♪
コメント・TBありがとうございました。
人はみなそれぞれのパイパティローマを持っていて、
人生というのはそれをめざす長い旅のようなのかもしれない、
そんなことを思いました。
いい本でしたねv(*'-^*)bぶいっ♪

Rutileさん☆こんばんは
自分らしくなれる場所に気がつけたお父さんはステキでしたね。

こんばんは。
二郎目線でとても読みやすかったです。
お父さん、言葉に説得力があって、カッコよかったですね。

藍色さん☆おはようございます。
お父さんがすっかり生まれ変わったように元気になりましたね。
自分が生きる場所があるって大事なことなんですね!

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